国内最大の航空会社ANAホールディングスはミャンマーで現地企業と連携してヤンゴン国際空港を拠点とする国際線専門の航空会社を設立したことを明らかにした。早ければ2018年の就航を目指す。同社の片野坂真哉社長が12日、ブルームバーグとのインタビューで語った。

  片野坂社長によると、ANAHDはミャンマーの現地企業、ゴールデン・スカイ・ワールドと共同で新会社「アジアンブルー」を設立した。新会社の資本金は15万ドル(約1700万円)でANAが株式の49%を保有する。片野坂社長は「立ち上げたばかりで、これから運航機材の機種や規模などを詰め最終的な投資金額が決まる」とした。来年本格的に準備に着手し、現地当局と認可取得に向け折衝などを開始する。ANAが公式にミャンマーの新会社に言及するのは初めて。

片野坂真哉社長
片野坂真哉社長
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  片野坂社長は「主にミャンマー人向けのアジア路線の航空会社となる。ミャンマーは経済力が付いてきており、新しい中堅層のビジネスや海外旅行ブームに貢献したい」と説明した。当初は2機から始め、当面は毎年2機ずつ増やしていく方針という。

  ANAは13年8月にミャンマーの航空会社アジアン・ウィングス・エアウェイズへの出資を検討していたが約1年の調整を経て取りやめた経緯がある。片野坂社長によると「数年前に目論んだ出資では競争が激しくなりいったん白紙に戻した」と説明した。ANAは既に成田空港とヤンゴン空港間の路線を12年10月から就航させている。また、ANAはミャンマー政府との共同プロジェクトの一環で、同国から空港荷物の技能研修生を受け入れている。

国際線はバランス重視

  ANAは5月に、ベトナムの国営航空会社、ベトナム航空と業務、資本提携を結んだと発表。ベトナム航空株式の約8.8%を総額2兆4310億ドン(約117億円)で取得した。これに伴い共同運航やマイレージ提携なども実施。中期経営計画では、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に据えた同地域への出資を今後も拡大する方針を打ち出している。

  ライバルの日本航空が、経営破たん後の再生過程の監視期間などを定めたとされる国土交通省の「8.10ペーパー」によって海外への積極投資などを控える中で、既に日航と連携していたベトナム航空を奪う格好となった。日航への国交省の監視は17年3月末が期限となっている。

  片野坂社長は、国際路線については成長が期待できるASEANだけでなく、「バランスを心掛ける」と述べた。アメリカが非常に堅調で、「アメリカでも次の就航先を見つける」と話した。また、欧州各国から日本への旅客の伸び率も大きく、いまはシドニー便しかないオーストラリアも有望だと語った。

  ANAは昨年6月には成田-ヒューストン線、今年10月には羽田-ニューヨーク、シカゴを利便性の高い時間に変更、新規に就航した。17年2月からは成田-メキシコ市線を就航させる。

  一方で、格安航空会社(LCC)事業はアジアに特化した形になるとの見方を示した。ANAHD傘下のバニラ・エアは現在、台北、ホーチミンなど4都市6路線をカバーしている。25日からは新たに成田-セブ線を就航させる。片野坂社長は、バニラ・エアの国際線は今後も短距離から中距離へとエリアを伸ばす可能性が高いと指摘した。現在エアバスA320を10機保有しており、17年3月期末までに12機となる予定。

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