市場関係者のほぼすべての注目は、今週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での短期金利引き上げ決定に集まっている。だが米国債券市場の投資家は、当局が金利とは別の政策手段について大きな変更をすでに示唆したと語る。

  米連邦準備制度の当局者が示唆した変更とは、前回の金融危機で膨らませた大規模な債券保有高と2兆ドル(約230兆円)を超える超過準備を長期保持するという点だ。

  これはFOMCが短期の政策金利を管理する方法にも長期的な影響を及ぼす。金融危機以前には、FRBは金融機関が余剰資金を貸し借りするフェデラル・ファンド(FF)金利市場に介入することで、短期金利を調節していた。だが今や量的緩和を通じて大量の資金が供給されているため、FRBは超過準備の付利や短期金融市場のリバースレポに適用する金利で市場を管理している。

  11月のFOMC議事録によると、政策担当者らはこの新たな仕組みについて「比較的シンプルで、効率的に管理できる」との見解を示していた。

  FRBが大規模なバランスシートと、金融システム内の潤沢な資金を維持することに傾いているのは、「根本的な大転換」だとソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏(ニューヨーク在勤)は指摘する。「過去7年で当局が学んだのは、多大な準備資金がシステムを害することも、インフレを誘発することもないという点だ」とその背景を分析した。

  FRBがバランスシート上に抱える資産は金融危機以降、約5倍の4兆4000億ドル(約508兆円)に膨れ上がった。このうち証券が4兆2000億ドルを占める。

  名目国内総生産(GDP)に対し、金融当局のバランスシートは1998年から08年まで、ほぼ6%で安定していた。だが08年後半から危機が深まるにつれてこの割合は上昇し、同年末にはGDP比15%に達した。14年に約26%でピークを付け現在は24%前後に低下しているが、それは保有資産の規模がほぼ変わらない一方でGDPが拡大したためだ。

  ニューヨーク連銀がプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)を対象に先月実施した調査では、償還を迎えた米国債を再投資するFRBの政策に「変化」が現れるのは、中央値で1年8カ月先だと予想された。例えば、今後2年に満期を迎えるFRBの保有債券は6170億ドルに上るが、11月のFOMC議事録ではバランスシートを「現在よりもはるかに小さいが、少なくとも金融危機以前の数年よりもやや大きい」規模に維持することを支持する姿勢を打ち出していた。

  ライトソンICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は「大規模なバランスシートが通常の状況になった」とし、「もはや試行ではない」と続けた。

原題:Fed Officials Leaning Toward Bigger Is Better on Balance Sheet(抜粋)

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