12日の東京株式相場は5営業日続伸。終値で約1年ぶりに1万9000円台に乗せた日経平均株価は、年初来騰落がプラスに浮上した。米国の消費者統計の好調や為替のドル高・円安進行を受け、リスク選好の買いが優勢となり、食料品や小売、情報・通信、医薬品、陸運など内需株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比6.07ポイント(0.4%)高の1531.43、日経平均株価は158円66銭(0.8%)高の1万9155円3銭。終値での1万9000円回復は昨年12月30日の大納会以来。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日本コムジェストのポートフォリオ・アドバイザー、リチャード・ケイ氏は「トランプ次期大統領の政策による米景気回復の期待が高まっている。主要な経済パートナーである日本には追い風」と指摘。日本株はそもそも割安で、「世界的な投資家の多くはいまだに日本株をアンダーウエートにしており、日本の景気と企業業績の改善を見越した見直し買いは続く」と予想した。

  米国で9日に発表された12月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は、98と2015年1月以来の高水準となった。利上げ実施観測から同日の米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.47%。良好な景気動向を好感した米国株は、S&P500種株価指数が過去最高値を更新した。

  また、ニューヨーク原油先物は12日の時間外取引で、1バレル=54.51ドルと昨年7月以来の高値に上昇。ロシアなど石油輸出国機構(OPEC)の非加盟国が日量55万8000バレルの削減で合意、サウジアラビアが一段の減産の用意を示唆したことなどが材料視された。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「1バレル=60ー70ドルほどまで上がる可能性がある。昨年の米利上げ時は新興国への影響も懸念されたが、今回は方向性が違う。一気にリスクオンに変わってきている」とみている。

  きょうのドル・円相場は一時1ドル=115円60銭台と2月9日以来、10カ月ぶりのドル高・円安水準を付けた。日本株の前週末終値時点は114円44銭。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、「1ドル=115円台が持続すれば、来期は4―5%の利益改善が見込まれる」と予想。日本株はバリュエーション、テクニカル面でも買いやすく、日経平均は200日移動平均線からの上方乖離(かいり)率で20%に当たる「2万100円程度が上値めど」と話す。

  この日の日経平均は午前の取引で一時、284円(1.5%)高の1万9280円と、日中ベースでは昨年12月18日以来の高値圏まで上昇。ただ、その後は上値も重く、TOPIXは午後の取引で一時マイナス圏に沈む場面もあった。13ー14日に米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米利上げ動向を見極めようと目先の損益確定売りも出やすくなっている。トランプラリーが始まった11月10日から前週末までの東証1部33業種の上昇率上位をみると、証券・商品先物(47%)、銀行(38%)、海運(37%)などが並び、きょうはこれら業種の下げが目立った。

  東証1部の売買高は29億5550万株、売買代金は3兆3144億円。上昇銘柄数は1119、下落は773。33業種は食料品、水産・農林、サービス、小売、医薬品、情報・通信、陸運など19業種が上昇。海運や証券、鉄鋼、銀行、金属製品、非鉄金属、卸売など14業種は下落。食料品では、東海東京調査センターが強気の投資判断を維持し、目標株価を上げた森永乳業が買われた。

  売買代金上位では、産経新聞の報道を材料にソフトバンクとの回線接続交渉の再開観測が広がった日本通信が急騰。NTTや三菱自動車、JT、ダイキン工業も高い。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングス、三菱商事、SMC、ディー・エヌ・エーは安い。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE