イタリアのマッタレッラ大統領は11日、国民投票で憲法改正案が否決され辞任したレンツィ首相の後任としてパオロ・ジェンティローニ外相(62)を指名し、組閣を要請した。ジェンティローニ氏は外交で豊富な経験があるが、首相に就任すれば脆弱(ぜいじゃく)な同国経済、特に経営難にある銀行への対応が主要な課題となる。

  ジェンティローニ氏は12日にも組閣の進捗(しんちょく)状況を大統領に報告する可能性がある。ただ、その前から反既存政治を掲げる野党の「五つ星運動」はレンツィ氏がジェンティローニ氏の主な支援者であるため、ジェンティローニ氏はレンツィ氏の「化身」だと主張している。

  レンツィ氏は来年の早い時期に民主党大会を招集して党首指名を確保する考えで、2017年前半に前倒しを目指す総選挙で民主党候補として立候補するとみられる。

  ジェンティローニ氏が取り組むべき問題はイタリアの弱い経済成長と脆弱な銀行セクターへの対応で、とりわけ苦境にある銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナが喫緊の課題だ。欧州中央銀行(ECB)は9日、50億ユーロ(約6080億円)の資本増強計画の期限延長を認めなかったため、政局不安で銀行セクターが特に影響を受けるとの懸念が強まっている。

  また、スムーズな政権移行はユーロ圏3番目の規模を持つイタリアの政局不安を警戒する他の欧州連合(EU)諸国を安心させる上で不可欠であることから、ジェンティローニ氏は15日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議への参加を目指す。

原題:Italy’s Gentiloni Faces Economy, Banks, Populists in Top Job(抜粋)

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