債券相場は下落。長期金利は約10カ月ぶりの高水準を付けた。米金利先高観を背景に売り圧力が強まった。今週実施の20年債入札に対する警戒感が出て、超長期債相場が大幅安となり、利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

  12日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高い0.06%で開始。午後には0.07%と、2月16日以来の高水準を付けた。20年物の158回債利回りは0.635%と新発債として2月以来の水準に上昇。30年物の53回債利回りは0.80%、40年物の9回債利回りは0.945%と、新発としてともに3月以来の水準まで売られている。

  損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、「海外の金利上昇にトレンドが出て勢いに乗っており、出遅れた国内金利もスティープ化は避けられない」と指摘。「中短期については日銀のコントロールが効くが、超長期になると、先週の30年債入札が良くなかったことや、増発の話で不安定になりやすい」とし、しばらくは金利上昇の流れが続くとみる。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前週末比9銭安の150円41銭で開始。いったんは150円49銭まで下げ幅を縮めたが、日本銀行が午前の金融調節で長期国債の買い入れオペを見送ると、再び売り圧力が強まった。一時は150円31銭と、日中取引ベースで11月25日以来の水準まで下げ、結局は14銭安の150円36銭で引けた。

  米国の10年債の利回りはこの日の時間外取引で一時2.4967%と、年初来の高水準を更新した。メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、米長期金利の上昇に加え、国内では40年債の発行増額をめぐる観測もあり、「長いところの重荷になっている」とした上で、「今日のオペが見送られると買う材料が一つ減ることになる」と指摘。「日銀の政策をみると、超長期はある程度金利上昇を容認しそうな雰囲気を醸し出している。日銀が消極的であるならば、今の水準で超長期は買いづらい」と話した。

FOMCや20年債入札を警戒

  今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が13日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジが0.50-0.75%と、現行の0.25-0.50%から引き上げられる見通し。終了後に声明と経済予測が発表され、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見する。

財務省
財務省
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  財務省は今週、5年利付国債と 20年利付国債の入札を実施する。前週は流動性供給入札に続き、30年利付国債入札の結果も低調だったことから、超長期ゾーン中心に売り圧力が強まった。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「先週の30年債入札が弱く、20年債入札を前に超長期債はやりにくい」と指摘。ただ、「20年入札を終えると、大きな供給もなく、償還を背景に基本的に需給は引き締まりやすい方向にある」と言う。

  一方、11日付の日本経済新聞によると、財務省は2017年度の国債発行計画で、40年物国債の発行額を過去最高の3兆円に増やす見通し。2年物や5年物などの中期国債は減額される見込み。22日に閣議決定する来年度予算案と併せて公表するという。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「注目された40年債の発行額が3兆円に増えるとのことで、今年9月以降と同様に隔月で0.5兆円ずつ発行するのだろう」とし、「国債発行総額が減額するにもかかわらず、今年9月債からの異例の増額分をリセットしないということである」と分析。「ヘリコプターマネー的なイメージを残したい政治サイドからの要請や、日銀の大規模金融緩和継続への期待が背景にあるのだろう」とし、財政規律の緩みが嫌気されるとみる。

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