9日の新興市場では株価と通貨が今週初めて下落した。欧州中央銀行(ECB)が月ごとの債券購入額を減らすと発表したことに加え、米国の利上げが近いとの観測から、投資家心理が悪化した。

  MSCI新興市場指数は0.2%安。この日の下げで週間騰落率はプラス2.9%に縮まったものの、9月以来の大幅上昇。

  新興市場通貨指数は週間ベースで0.7%高。この日はトルコ・リラと南ア・ランドが下げた。一方、チリ・ペソは1カ月ぶり高値。トランプ次期米大統領が対ロシア制裁を縮小するとの投資家の観測は見当違いとクレディ・スイス・グループが指摘したものの、ロシア・ルーブルも上昇した。

  新興市場資産は今週、8日のECBの政策委員会を前に上昇していた。ECBは同会合で債券購入の期間を来年末まで延長する一方で、月額は引き下げることを決めた。この発表を受け、東欧諸国の通貨が特に売られた。市場関係者らは現在、米利上げの確率は100%とみて、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を注視している。

市場関係者の反応

  ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、ガイ・スティア、ジェーソン・ドー氏らは「新興市場は2017年、難しいかじ取りが求められる。国内のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は改善方向にあるものの、先進国は保護主義色が濃くなり、米利上げとECBのテーパリング、欧州での政治的リスクの高まりといった環境の中で世界の成長性に重しとなりつつある」と語った。

原題:Emerging Markets Trim Weekly Gain as ECB Adds to Fed Anxiety(抜粋)


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