12月2週(12-16日)の日本株は6週続伸する見通し。米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が13ー14日に開かれ、イベント通過後の週後半に国内外景気の先行き改善を見込む買いが入りそうだ。

  前回11月のFOMC議事録によると、出席者の大半が比較的早期の利上げを予想した。その後発表された経済統計も米景気の堅調さを示し、金利先物が織り込む今回会合での利上げ確率は100%。来年について市場では、2ー3回程度の利上げが想定され、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長から来年の政策について極端にタカ派的な発言がなければ、株式市場に大きな波乱はないとの見方が多い。米国では14日に11月の小売売上高、16日に住宅着工件数の公表がある。

東証見学者
東証見学者
Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  国内では、14日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観、12月調査)を発表する。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によれば、大企業・製造業の業況判断DIはプラス10と前回から4ポイント改善する見込み。大和総研の長内智シニアエコノミストは、日本経済は「踊り場」から持ち直す動きが出ていると説明。先行きに慎重さが残るが、実質賃金の増加や原油安と交易条件の改善、経済対策の実施などが下支えとなり、緩やかに回復すると予測する。

  一方、為替市場ではドル高・円安の勢いがここにきて鈍っており、FOMCを控えた週前半を中心に日本株の上値を抑える可能性がある。SMBC日興証券の吉野豊チーフテクニカルアナリストは、6月の英国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた際のドルの下落幅から「2倍上げの114円70銭付近に到達し、頭打ち感が出始めている」と言う。第1週の日経平均は前週末に比べ3.1%高の1万8996円37銭と5週続伸。堅調な米統計や欧州中央銀行(ECB)の政策を評価した欧州金利の上昇を好材料視し、一時昨年12月30日以来となる1万9000円台を回復した。

  • 【市場関係者の見方】

三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジスト
  「FOMCが金利を0.25ポイント上げるのは織り込み済みで、注目は将来に関するどのようなガイドラインが出てくるかだ。トランプ次期政権がどのような政策を取るのか分からず、あまり大きな変化はないとみる。イベント通過で一度利益確定売りが出る可能性もあるが、一時的だろう。米国主導で世界的に長期金利を押し上げる力が働く中、ドル安のリスクが小さくなり、日本株に対してポジティブな状況が続く」

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネジャー
  「投資家はグローバルに景気が回復すると自信を持ち始めている。経済に自信のない状態でタカ派的な引き締め方向だった昨年の状況と現在は異なる。イエレン議長からタカ派的な発言が多少出ても、大きな市場の反応はないだろう。世界的に景気の循環期に既に入っていたが、トランプ氏の政策期待が補強し、株式の上昇につながっている。1ドル=115円近辺のドル高・円安が続けば、来期は2桁増益も見込める。高値警戒から買えていない投資家は多く、『押し目待ちに押し目なし』の状態、上をみておいた方が得をする」

ちばぎんアセットマネジメントの加藤幸裕運用部長
  「日経平均1万9000円を固める展開を予想する。トランプ米次期大統領の経済政策と為替の円安から今期と来期見通しの企業業績がどこまで上方修正されるかという状況だ。円安が止まらない限り、市場センチメントは悪くない。テクニカル面の過熱感以外に目立った売り材料がなく、まだマーケット全体がロングに傾いていないとみられる中、大きな下げも続かないだろう。米景気指標は悪くない。FOMCでマーケットコンセンサス並みの来年2回の利上げに相当する明るい景気見通しを示す可能性があり、程よい金利上昇やドル高なら米国株に悪影響を与えない」

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