環太平洋連携協定(TPP)が9日、国会で承認された。安倍晋三政権はTPPを成長戦略の柱と位置付けてきたが、米国のトランプ次期大統領が離脱を表明していることから、発効の見通しは立っていない。

安倍晋三首相
安倍晋三首相
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  安倍首相は9日の参院特別委員会でTPPについて「立ち止まって考えることはリスクがないように聞こえるが、現実にはTPPの可能性を失わせていくものであり、むしろそれは無責任だ」と語った。TPP承認案と関連法案はこの日の特別委と本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決された。

  トランプ次期大統領の離脱表明で日本は戦略の立て直しを迫られている。安倍首相は同日の特別委で、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉について年内の大枠合意を目指す考えを示したが、アジア太平洋地域では東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉などを通じて通商分野で中国の存在感がさらに高まる可能性がある。中国が主導し、日本、インドなどが参加するRCEPに米国は参加していない。

  12カ国が署名したTPPの発効には域内の合計国内総生産(GDP)の85%以上を占める6カ国以上が手続きを終える必要があると定められている。域内GDPの8割以上を占める日米2カ国の国内承認は不可欠だ。ニュージーランドは国会承認手続きを既に終えている。

  経済同友会の小林喜光代表幹事は9日、TPPの国会承認について「経済連携の推進と自由貿易体制の強化が世界の繁栄につながるという確固たる意思を国内外に示したという意味で、重要な一歩」と評価するコメントを発表した。

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