9日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=114円台半ばへ上昇。前日の欧州中央銀行(ECB)の量的緩和延長・減額を受けた世界的な株高や米長期金利の上昇を背景に、ドル買い・円売りが優勢だった。

  午後3時50分現在のドル・円は前日比0.3%高の114円41銭で、一時は114円57銭と4営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んだ。一方、ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で付けた安値を割り込み、1ユーロ=1.0589ドルまでユーロ安・ドル高が進行。同時刻現在はほぼ変わらずの1.0616ドルとなっている。

  ECBは8日、量的緩和(QE)プログラムの下での債券購入を2017年12月末まで延長するとともに、月々の購入額は来年4月以降、600億ユーロに減らすと発表した。ドラギ総裁は会見で、月購入額の減額はテーパリングではないとし、見通しが悪化した場合はプログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針であると述べた。

   IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での米利上げは織り込み済みで、米金利上昇につながりにくいが、ECBの緩和継続で株高が続くなら米金利は底堅く推移するのではないかと予想。ドル・円の「トランプラリーは続いている」とし、目先115円を試すと予想した。

  ECBの政策を受け、8日の欧米株式市場ではストックス欧州600指数が1月以来の高値を付け、米国ではS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新。9日の東京株式相場は4日続伸し、日経平均株価は昨年12月の大納会以来の1万9000円台を一時回復した。一方、米10年債利回りは9日の時間外取引で一時2.44%台へ上昇した。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、ドルは急激に買われすぎていたため、ある程度売りポジションが全部あぶり出された感じで、ここからどんどん買っていくのは「もう少しトランプの発言など見ないと、ここから先は非常に判断しにくい」と指摘。もっとも、米長期金利が2.4%を突き抜ければ、ドル上昇の余地はあると話した。

  ユーロは量的緩和の減額を受け、8日に当初1.0874ドルと11月11日以来の水準までユーロ高に振れたが、その後反落し、ドラギ総裁の会見が始まると一段安となった。ユーロ・円相場もいったん1ユーロ=123円35銭と5月末以来の水準までユーロ買い・円売りが進んだ後、3日ぶり安値の120円92銭まで反落。東京市場に入ってからは円売りが優勢となり、121円51銭までじり高となった。
 
  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、ECBの決定について、市場予想は月800億ユーロで6カ月延長だったので、「最終的な仕上がりは明らかに今回の決定の方が緩和的」と指摘。もっとも、大事なのは前回の拡大からわずか8カ月で購入額を縮小したということで、「明らかに手詰まり感を示すもの。なるべく広く薄くやって時間を稼ぎたいという決定」と評価した。

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