9日の東京株式相場は4連騰。欧州中央銀行(ECB)が毎月の債券購入の減額を決め、世界的な長期金利の上昇や為替の円安推移が好感された。銀行など金融株、電機など輸出株が買われ、海外原油高を受けた鉱業、石油株も高い。年初からの下げが大きかった医薬品や陸運株も上げた。

  TOPIXの終値は前日比12.67ポイント(0.8%)高の1525.36、日経平均株価は230円90銭(1.2%)高の1万8996円37銭。日経平均は一時、昨年12月30日の大納会以来となる1万9000円台に乗せた。

  三菱UFJ国際投信の宮崎高志戦略運用部長は、「ECBの決定はグローバルな金融政策が方向として緩和より緩和状況を少しずつ縮小するステージに入ってきたことを示す。日銀も同様で、今の状態は緩和だが、長期的な目ではその方向にかじを切り始めている」と指摘。中央銀行がそうした立場をとるのは、「ファンダメンタルズが良好なことを示し、株式市場にはプラス」との見方を示した。

証券会社の株価ボード前
証券会社の株価ボード前
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ECBは8日、量的緩和(QE)策を2017年末まで延長し、現行の800億ユーロの月資産購入額を来年4月から600億ユーロ(約7兆2800億円)へ縮小することを決めた。中銀預金金利を下回る利回りの資産も購入するとドラギ総裁は発言、欧州債市場では利回り曲線のスティープ化が進んだ。米10年債利回りも2.4%に上昇、日本時間9日の時間外取引でも一段と上昇した。為替市場ではドル・円が一時1ドル=114円50銭台と、5日以来のドル高・円安水準に振れた。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、海外債券市場の反応はECBの月間購入金額の減少による「緩和姿勢の弱まりに加え、買い入れ対象を増やしたことで無理やり金利を引き下げるわけではないと解釈した」とみる。さらに、米金利上昇の背景には9月以降のグローバル景気の回復があるとし、「米10年債利回りが2.5%手前までの上昇であれば、株式市場にとっても良い金利上昇と受け取られやすい」との認識を示した。

  この日の取引で目立ったのはTOPIXの時価総額・流動性別指数の動きだ。上位銘柄で構成されるコア30指数やラージ70指数は1%上げたのに対し、下位のスモール指数は0.5%高。日米金利差の拡大による円安・株高への期待を背景に、日本の代表銘柄を組み入れようとする需要が強まり、大型・高流動性銘柄が選好された格好だ。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「機関投資家の年末に向けたポートフォリオのリバランスが積極化している」と指摘。モメンタム追随型を狙って「海外需要の恩恵を受けやすい業種や日経225採用の時価総額上位業種などを組み入れる一方、動きの鈍い内需を外す動き」と話している。

コア30、ラージ70、スモールの月初来推移
コア30、ラージ70、スモールの月初来推移
Bloomberg

  ブルームバーグ・データによると、日経平均先物12月限の特別清算指数(SQ)は前日の現物指数終値を101円98銭上回る1万8867円45銭だった。需給の節目を波乱なく通過した後、午前半ば以降は円安傾向に伴い株価指数の上げ幅が拡大した。日経平均は一時1万9042円と、昨年末の1万9033円を上回った。東証1部の売買高は31億3196万株、売買代金は3兆9250億円。値上がり銘柄数は1250、値下がりは606。

  東証1部33業種は鉱業や石油・石炭製品、証券・商品先物取引、海運、陸運、医薬品、銀行など31業種が上昇。機械と電気・ガスの2業種は下落。電力株についてゴールドマン・サックス証券は、期待で買われたが、現実は厳しいと指摘した。売買代金上位では、米国任天堂のフィサメィ社長がiPhoneスーパーマリオランのダウンロード2000万強を予想し、任天堂が上昇。新作ゲームアプリが好調のコナミホールディングスも高い。半面、前日にストップ高した東京電力ホールディングスは反落。

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