欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落-QEの調整はテーパリングでないとECB

  8日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し下落。一時上げていたが反転した。欧州中央銀行(ECB)はこの日、量的緩和(QE)プログラムの下での債券購入を2017年12月末まで延長するとともに、月々の購入額は来年4月以降、600億ユーロ(約7兆8800億円)に減らすと発表。ドラギ総裁はこれについて、債券購入のテーパリングではなく現行プログラムの延長と捉えるべきだと強調した。

  ECBはこのほか、資産購入プログラムについて、利回りが預金金利を下回る債券も購入するといったテクニカルな調整も発表した。欧州・米国債利回りは一時上昇していたが、この調整発表に反応して上げを失い、ユーロは主要通貨に対し下落する展開となった。

  カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)のG10為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン在勤)は、ECBは条件が合えば現行の緩和を維持すると表明したことで「これから3月末まで微調整する余地を残した」と指摘。4月以降の購入減額「という点では明らかにやや驚きだった」と語った。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前日比1.3%安の1ユーロ=1.0615ドル。

  ドルは円に対し0.2%高の1ドル=114円04銭。一時114円38銭に上げる場面もあった。質への逃避からの退却が広がるなか、円は上げを失って下げに転じた。
原題:Euro Drops; ECB Says Smaller Monthly Asset Buys Not Tapering(抜粋)
原題:U.S. Stocks Rise, Euro Slips With Bonds on ECB Stimulus Signal(抜粋)


◎米国株:S&P500とダウ平均が連日最高値、ECBが量的緩和延長

  8日の米国株式相場は続伸。S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は連日で過去最高値を更新した。S&P500種の11セクターのうち、金融株と素材株を含む8セクターが上昇した。

  S&P500種株価指数は前日比4.84ポイント(0.2%)上昇の2246.19で終了。ダウ工業株30種平均は65.19ドル(0.3%)高い19614.81ドルで終えた。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は景気刺激策の見通しについて記者会見で説明した。ECBは量的緩和(QE)プログラムの延長および月々の購入額縮小を発表。これを受け、世界的に株価と債券利回りが上昇した。

  市場では過去1週間、けん引役の交代が続いている。米大統領選後は金融株や工業株がけん引したが、今月は通信サービスやハイテク株、不動産株が全て少なくとも1日は上昇率首位になっている。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は3.4%上昇。前日には3.7%上昇していた。

  朝方発表された先週の米週間新規失業保険申請件数は前週比で減少した。

  オッペンハイマーファンズのクリシュナ・メマニ最高投資責任者(CIO)は「世界株は当社がなお選好する資産だ。世界経済の強さを示す主要な指標は上昇している」と指摘。同社は「米金融当局はもはや、景気サイクルの今後の動向を決定づける要因ではなくなったと考えている」と述べた。

  ECBはQEプログラムの下での債券購入を2017年12月末まで延長し、債券購入の総額を少なくとも2兆3000億ユーロにまで膨らませる方針を示した。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は14日に政策金利に関する決定を発表する予定。金利先物市場が示す今月の利上げ確率は100%。11月初めは68%だった。
原題:Another Record for S&P 500 After ECB Boosts Stimulus; Banks Gain(抜粋) 


◎米国債:下落、世界的な債券安-ECBが資産購入のペース減速へ

  8日の米国債は下落。10年債利回りは1週間ぶりの大幅上昇となった。欧州中央銀行(ECB)は毎月の債券購入を減額して量的緩和(QE)を延長すると明らかにした。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時15分現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上げて2.4%となっている。

  この日はポルトガルやイタリアを中心に先進国の国債が売られた。ECBはQEプログラムの下での債券購入を2017年12月末まで延長するとともに、月々の購入額は来年4月以降、600億ユーロに減らすと発表した。

  5年債と30年債の利回り差(イールドカーブ)はこの日スティープ化し、利回り差は3週間ぶりの幅に拡大した。ドラギECB総裁はデフレのリスクはほぼ消えたと述べ、ECBは来年のユーロ圏のインフレ率予想を1.3%とした。  

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は14日に政策決定内容を声明で発表する。政策金利が0.25ポイント引き上げられる確率は、ほぼ100%として市場に織り込まれている。JPモルガンのエコノミストは7日付のリポートで、利上げは「ほぼ決定事項」のようだと述べた上で、2017年に2度の利上げを依然として予想していると述べた。

  朝方の米労働省発表によると、3日終了週の週間新規失業保険申請件数は前週比1万件減の25万8000件だった。
原題:Treasuries Decline With Global Bonds as ECB to Slow Asset Buying(抜粋)  


◎NY金:反落、ECBの「テーパリング」計画を市場は精査

  8日のニューヨーク金先物相場は反落。プログラムの期間延長や月間の購入額減額などECB量的緩和策の変更について、市場では影響を精査する動きが広がった。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日 比0.4%安の1オンス=1172.40ドルで終了した。

  「ドラギECB総裁が繰り広げる完全試合を市場は固唾(かたず) をのんで見守った」-シンクマーケッツUKのチーフ市場アナリス ト、ナイーム・アスラム氏。「同中銀はQE延長を発表したが、テーパリングをするというのはタカ派的なメッセージであり、それが金価格に影響を及ぼしている」と述べた。

  銀先物は下落、パラジウムは上昇、プラチナはほぼ変わらず。
原題:Gold Futures Decline as Investors Assess ECB ‘Tapering’ Plan(抜粋)

◎NY原油:大幅反発、OPEC非加盟国の減産に焦点移る

  8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反発。市場の焦点は、石油輸出国機構(OPEC)が非加盟国から減産への同意を取り付けられるかどうかに移った。

  USバンク・ウェルス・マネジメントの投資担当シニアストラテジスト、ロブ・ヘイワース氏(シアトル在勤)は「今週末の会合、および減産合意の順守について市場は楽観的になっているようだ」と指摘。「市場はポジティブへと方向を変えた。押し目では投機筋の買いや、買い増しが入るだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比1.07ドル(2.15%)高い1バレル=50.84ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は89セント(1.7%)上げて53.89ドル。
原題: Oil Climbs as Scrutiny Shifts to Meeting on Non-OPEC Supply Cuts(抜粋)

◎欧州株:上昇、銀行株に買い-ECBが資産購入プログラムを微調整

  8日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は4日続伸し、1月以来の高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)が資産購入プログラムの設定を変更し、銀行の収益性が高まるとの期待から買いが入った。

  指標のストックス欧州600指数は前日比1.2%高の351.96で終了。イタリアのFTSE・MIB指数とフランスのCAC40指数が上げたほか、ドイツのDAX指数は今年初めて1万1000の大台で引けた。スペインのIBEX35指数は2.1%上げ、先進国の主要株価指数の中で上昇率首位を記録した。

  ストックス600指数を構成する銀行株指数の過去4営業日の上げ幅は10%強に達し、11カ月ぶり高水準に接近した。ここ3年で最も買われ過ぎの状態となった。ドラギ総裁が政策発表後の記者会見で、ECBは利回りが中銀預金金利を下回る債券を購入すると述べた。これで国債の利回り曲線のスティープ化が進んだ。
原題:Europe Stocks Jump With Banks as ECB Changes Asset-Buying Rules(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債の利回り曲線がスティープ化-ECB政策で市場混乱

  8日の欧州債市場では、ドイツ国債の利回り曲線がスティープ化した。欧州中央銀行(ECB)が月々の債券購入を減額して延長すると明らかにしたものの、ドラギ総裁はその後の記者会見で、減額した規模で景気が上向かない場合は再び増額する用意があると示唆したことで、市場が混乱した。

  債券市場の弱気筋にとって、ECBが月購入ペースを600億ユーロに減速するのは量的緩和(QE)なき将来を初めて占う試金石となった。強気筋にとって、利回りが中銀預金金利を下回る資産を購入する方針は対象銘柄が増えることを意味する。為替トレーダーらは当初、月間購入額の削減に注目していたものの、延長期間が予想以上に長いことへと関心を移した。

  ドイツ10年債利回りは1月以来の高水準に達した一方、2年債は上昇した。通貨ユーロは政策発表直後に上昇したが、その後下げに転じた。

  ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、イェンス・ペーター・ソレンセン氏は「現在は混沌(こんとん)とした状態にある」とし、「誰もが当初は800億ユーロから600億ユーロに削減されることに失望させられ、『テーパリング』と指摘した。それから預金金利を下回る債券購入が明らかになり、ドイツ国債が手薄にならないことが突然判明した。そのため利回りの調整が進んだ」と語った。

  さらに「常に混乱させられる」と指摘し、「ECBは明瞭さと透明性をもたらすことができない。ドラギ総裁はこのプログラム全体に強く反対する中銀関係者を満足させようとする一方、刺激策がまだあるとの印象を与えて一般を安心させようと試みている。困難な任務のため、ECBをめぐっては常にやや複雑となる」と続けた。

  ロンドン時間午後2時56分現在、ドイツ10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.44%。一時は0.46%に達した。30年債利回りは14bp上昇し1.16%となり、5年債とのスプレッドは8年ぶりの大きさとなった。2年債利回りは2bp下げてマイナス0.69%。
原題:Confusion Reigns in Markets as ECB QE Changes Spark Wild Swings(抜粋)
German Curve Steepens Most Since 2008 as ECB Tweaks QE: Chart(抜粋)

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