8日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。

  東京電力ホールディングス(9501):前日比80円(18%)高の537円でストップ高。政府が東電に貸し付ける交付国債の発行枠を現状の9兆円から14兆円に拡大する方針を固めたことが分かったと共同通信などが8日報じた。福島第1原発事故に伴う賠償や除染費用の増加に対応するという。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、5兆円もの増額は驚きで、財務負担が経営を圧迫するとの懸念がやや和らいだ、と電話取材で述べた。

東電の福島第1原発
東電の福島第1原発
Photographer: Toru Hanai/Pool via Bloomberg

  その他電力株:北海道電力(9509)が5.1%高の950円、東北電力(9506)が4.4%高、中国電力(9504)が4.2%高、九州電力(9508)が3.6%高など。大和証券の西川周作アナリストは電話取材で、11月17日の大分地裁の口頭弁論後、少なくとも今年度中は原発をめぐるニュースフローは悪化しないとみられていたところに、今週に入り証券アナリストらの電力株見直し買いを推奨するリポートが重なったと指摘。九州電がきょう川内原発1号機の原子炉を起動することも、若干のプラス材料と同氏はみる。電気・ガス業指数は4.5%高と東証1部33業種で上昇率1位。

  富士通(6702):6.3%高の715.5円。2018年3月期の営業利益は最大2000億円と今期予想に比べ7割ほど増えそう、と8日付の日本経済新聞朝刊が報じた。IoT(モノのインターネット化)や人工知能(AI)の広がりで企業の活発なIT投資が収益を伸ばす原動力という。東海東京調査センターの石野雅彦アナリストは、カーナビやPC、ネット接続事業など構造改革が進みそうな中での今回の報道を市場は評価したと電話取材で述べた。構造改革費用がどの程度期初に出てくるかなど流動的な部分は残るが、2000億円程度の利益が出てもおかしくはないとした。

  ソフトバンクグループ(9984):5.5%高の7792円。孫正義社長が6日にトランプ米次期大統領と会談し、米国に500億ドル(約5兆7000億円)の投資を表明したことについてジェフリーズ証券では、同社は次期政権との関係でかなり良好な位置に付けたと評価。規制面で恩恵を受ける可能性があり同社株価に有利に働く可能性があるとの見方を示した。投資判断は「買い」、目標株価1万2500円を継続した。

  医薬品株:塩野義製薬(4507)が5.1%安の4913円、大日本住友製薬(4506)が3.9%安、小野薬品工業(4528)が2.8%安など。トランプ米次期大統領はタイム誌とのインタビューで、医薬品価格の引き下げに言及。7日の米S&P500種株価指数の業種別下落寄与度では、バイオや医薬品、ヘルスケア関連が上位を占めた。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ情報課長は、医薬品価格の引き下げにより米国で事業展開する大手製薬会社は直接的な悪影響を受ける、業績下押しへの懸念が出るとの見方を示した。

  電通(4324):3%安の4975円。11月の単体売上高は前年同月比6.1%減だったと7日に発表した。このうちマーケティングプロモーションは34%減だった。野村証券は、同証予想の1-2%増を下回りやや苦戦したと指摘した。

  東ソー(4042):4.7%高の863円。JPモルガン証券は7日、塩ビ樹脂(PVC)の需給改善と機能商品の増産で持続的な利益成長が可能とし、17年3月期営業利益予想を760億円から920億円(会社計画850億円)に増額、来期は950億円を見込み、国内塩ビ樹脂の値上げ浸透も実現すれば1000億円も視野に入るとみている。目標株価を780円から1030円に引き上げた。 投資判断の「オーバーウエート」、総合化学セクターでのトップ推奨を継続した。

  NTN(6472):4.2%高の501円。クレディ・スイス証券は7日に投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」、目標株価を350円から550円に引き上げた。高採算の産業機械向け軸受需要の底打ちと回復期待、米電気自動車(EV)向けの等速ジョイント(CVJ)案件の成長期待などから、業績は17年3月期をボトムに急回復する公算が大きいと分析。 特損計上リスクも上期時点の今期業績計画の下方修正で出尽くしたとみる。

  日立金属(5486):3.9%高の1608円。みずほ証券は7日に投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を1230円から1840円に引き上げた。上期決算で発表した通期業績計画の下方修正で、当面の悪材料はほぼ出尽くしたとの見方を示した。工具鋼などの在庫調整が進展し産業機器向けに磁性材料の需要が回復してきたと指摘したほか、鉄鋼他社比で販売単価が高い分、原料高の影響は限定的で、事業再構築で利益率が底上げされると分析した。

  ジャパンベストレスキューシステム(2453):10%安の258円。11月21日に公表した自社株買いを終了した、と7日に発表した。取得期間は来年11月30日までだったが、取得総額がほぼ上限に達した。好需給への期待がなくなった。

  シスメックス(6869):4.8%安の6100円。クレディ・スイス証券は7日に投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」、目標株価を8600円から6900円に引き下げた。業績回復は来期以降とみられるため、円安効果による目先の株価上昇余地は限定的と指摘。最大収益柱となった中国事業では前年度の検査機器の前倒し出荷の反動などで売り上げが減速しており、ネガティブとみる。

  グッドコムアセット(3475):新築マンション「ジェノヴィア」シリーズの開発・販売などを手掛ける同社が8日、ジャスダック市場に新規上場した。初値は公開価格の1950円を32%上回る2582円。終値は2270円。

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