8日の東京株式相場は3日続伸し、主要株価指数が年初来高値を更新した。日米景気の回復期待や欧州中央銀行(ECB)の量的緩和延長観測などから、自動車など輸出株、証券や保険など金融株、情報・通信株中心に幅広く高い。原子力発電所の再稼働期待などで電力株は上昇率トップ。

  TOPIXの終値は前日比22.07ポイント(1.5%)高の1512.69、日経平均株価は268円78銭(1.5%)高の1万8765円47銭。ともに昨年12月30日以来の高値水準。

  アライアンス・バーンスタインの村上尚己マーケット・ストラテジストは、「トランプ次期米政権でオバマ時代とレジームが大きく変われば、ことし2%弱が予想される米成長率は来年3%に拡大するだろう。世界経済全体が持ち直し、業績の上振れ余地が高まる」と指摘した。この2日間は、欧州中央銀行(ECB)理事会を控えた欧州株動向が米国にも影響を与えたが、「背景には米国の成長率だけではなく、金融規制を含め経済環境が幅広く変わるという期待がある」と言う。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米次期政権の経済政策が一段と景気を加速させるとの見方が強く、グローバルでリスク資産への資金流入が鮮明だ。7日の米国株は、大統領選挙後の上昇相場に通信株と不動産株の上げも加わり、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が最高値を更新。通信株の代表であるAT&Tは1年ぶりの上昇率を記録した。欧州でも、8日の定例政策委員会で量的緩和策を延長するとの期待から、ドイツDAX指数やフランスCAC40指数などが長期もみ合いから上放れた。

  米景気の回復傾向や為替の円高トレンドが終了したとの見方から、国内でも業績改善期待が勢いづいている。8日午後に発表された11月の景気ウオッチャー調査は、現状判断DIが前月比3.2ポイント上昇し52.5となった。ゴールドマン・サックス証券では、米大統領選後の株高・円安を反映し、2014年3月の消費税増税の直前水準まで急回復したと分析。また、野村証券によれば、14日公表の日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の業況判断DIは9月調査の6から12、大企業・非製造業は18から19へ改善する見込みだ。

  この日は、海外投資家とみられる買いが株価指数を大きく押し上げた。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「グローバル投資家はデフレを前提としたポートフォリオを組んでいたが、減税とインフラ整備による米景況感の改善でリフレ前提へややポジションを調整し、リスク資産に資金を振り向けている」とみる。米国と同様、まだ上昇相場が続くと想定する投資家がリスク資産に資金を振り向けるなら、日本でも「情報・通信など内需の出遅れ物色スタンスとなるのはリーズナブル」とも話した。

  東証1部33業種は電気・ガスや証券・商品先物取引、保険、その他金融、鉄鋼、情報・通信など31業種が上昇。上昇率トップの電気・ガスでは、九州電力の川内原発1号機の発電再開予定は11日となった。電力、通信の公益セクターが上昇率上位に並んだ点について、みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、「米金利が低下し、出遅れの公益株が買われた米国と同様の流れ」との見方を示した。一方、トランプ米次期大統領が価格引き下げ姿勢を示した医薬品のほか、サービスの2業種は下落。

  売買代金上位ではソフトバンクグループ、政府が融資枠拡大方針を固めたと共同通信などが報じた東京電力ホールディングスが大幅続伸。月次売上高が減少した電通は安い。東証1部の売買高は28億1860万株、売買代金は3兆3930億円。代金は11月11日以来、およそ1カ月ぶりの高水準。値上がり銘柄数は1414、値下がりは485。

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