米フォード・モーターやキャリアに続いて今度はボーイングとソフトバンクがドナルド・トランプ氏のツイッターのパワーを意識させられている。

  トランプ次期米大統領は6日、再び企業行動に首を突っ込んだ。ニューヨーク時間午前8時52分(日本時間同日午後10時52分)にツイッターで、ボーイングによる大統領専用機「エアフォースワン」の後継機開発コストの高さを批判。それから5時間後には日本のソフトバンクグループの孫正義社長による500億ドル(約5兆7000億円)の米国投資を称賛した。

  トランプ氏は先週、ユナイテッド・テクノロジーズに米工場閉鎖計画を中止させる合意をまとめたと発表していた。6日のツイートはいずれも詳細が漠然としたままで影響も不透明であるが、それでもメディアで大きく取り上げられ、市場を動かした。トランプ氏が米国の労働者や政府の歳出に影響し得る企業行動を批判もしくは称賛するため大統領職という公的権力を使うことをいとわない姿勢を再び示したことについて、インディアナ大学のケリー経営学部のモーハン・タティコンダ教授は「異例だ」と指摘する。

  トランプ次期大統領の行動は相場に影響を及ぼした。ボーイング株は通常取引開始前に一時1.5%下落する場面もあった。6日終値は前日比0.05%高の152.24ドル。一方、米携帯電話事業者4位でソフトバンク傘下のスプリントは1.5%高の8.17ドルで終了。スプリントとの合併を以前から取り沙汰されていたTモバイルUSは1.8%高の55.99ドルで終了。孫氏の投資表明がいずれはディールに発展し得るとの観測が広がったことが背景にある。

  ジョンズ・ホプキンス大学の高等国際問題研究大学院のアン・クルーガー教授(経済学)は、大統領が勝者と敗者の選別に熱心になり過ぎれば、事業主が経営改善に注力せずワシントンで特別待遇を得ようとするかもしれないと指摘。「法の支配こそ縁故資本主義を防止するものだ。次期大統領や政治家、官僚が事業主に会って特別待遇を与えたとたんに競争は公平でなくなる」と述べ、「われわれは今こそ叫び声を上げるべきだ。そうしなければ米国はいつの間にか第三世界の国と化してしまうだろう」と付け加えた。

原題:Boeing Sweats Under Trump Spotlight as SoftBank Feels the Warmth(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE