米大統領選挙での予想外のドナルド・トランプ氏勝利や中国政府が国内企業による海外での企業の合併・買収(M&A)を抑制する可能性を踏まえ、中国の投資家は米国など海外案件への資金提供を一時停止しつつある。ゴールドマン・サックス・グループで大中華圏部門の会長を務めた胡祖六氏がこう指摘した。

  北京に本社を置く投資会社、春華資本集団(プリマベーラ・キャピタル・グループ)の創業者兼会長である胡氏(53)は香港でのインタビューで、同氏を含む投資家は中国の消費需要が刺激する業界に焦点を絞っていると発言。春華資本は電子商取引の巨大企業アリババ・グループ・ホールディングからファストフードの「KFC」や「ピザハット」を展開するヤム・チャイナ・ホールディングスに至るさまざまな企業の株式に投資していると説明した。

  胡氏は、海外で今年起きた政治的な出来事は「衝撃に次ぐ衝撃」をもたらし、投資家がまだその意味を理解しようと努めている「素晴らしい新世界」を生み出したとの認識を示した。米中関係とトランプ次期米政権の保護主義的なスタンスに対する懸念を受け、記録的なペースで伸びてきた中国の海外M&Aにブレーキがかかっている。

  元国際通貨基金(IMF)エコノミストでもある胡氏は、「極めて大きな不確実性があるため、現時点ではまず保留というのが世界のこちら側の状況だ。意欲はまだあるが、今のところ『様子見姿勢』でより警戒感が強まっている」と述べた。

  トランプ氏が当選したことで、海外投資に関する地政学的リスクの比較で米国がもはや信頼に足る指標にならないとも胡氏は論じ、「米国は現在、本当に中国よりも予測可能だろうか。習近平国家主席が好きであろうとなかろうと、あるいは政治体制が好ましかろうがそうでなかろうと、財政政策や金融政策、貿易政策、あるいは通貨に関して、中国が必ずしも米国より不確実で予測不可能ということはない」と話した。

原題:Ex-Goldman Rainmaker Says Chinese Taking Pause on U.S. Deals(抜粋)

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