ソフトバンクの孫正義社長は6日、米国で創業間もない企業や新興企業への500億ドル(約5兆7000億円)の投資を通じて5万人の雇用を創出する考えをトランプ次期米大統領に伝えた。

  事情に詳しい関係者1人によると、この投資資金はソフトバンクが10月に発表した1000億ドル規模のテクノロジーファンドから拠出される。同ファンドはサウジアラビア政府から450億ドル、ソフトバンクから250億ドルのコミットメントを得ている。

  孫氏の投資表明は、米携帯電話事業者スプリントを傘下に置くソフトバンクにとってトランプ氏と幸先の良い関係をスタートさせることにつながる。ソフトバンクはスプリントをTモバイルUSと合併させる計画についてオバマ政権の支持を取り付けられなかった経緯がある。

  世界のテクノロジー業界における米国のリーダーシップを考えれば、ソフトバンクのテクノロジーファンドが米国に一部投資する公算は大きかったが、孫氏はこれまで同ファンドを通じて一定の雇用を創出すると表明したことはなかった。

  こうした雇用創出方針を明らかにしたのはトランプ氏で、孫氏との6日の会談後にツイッターで「われわれ(トランプ陣営)が大統領選に勝利していなかったら、決してこうすることはなかったと、マサ(孫氏)は言った」とコメントした。

  孫氏は面会後、記者団に対し、規制緩和を支持するトランプ氏の大統領就任を祝いたいと同氏に伝えたことを明らかにした。

  米携帯電話事業者4位スプリントの株価は6日、前日比1.5%高の8.17ドルで終了。孫氏の投資表明がいずれはディールに発展し得るとの観測が広がったTモバイルUSは1.8%高の55.99ドルで取引を終えた。

  事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に明らかにしたところによると、ソフトバンクの米国への500億ドル投資はTモバイルなどのM&A(企業の合併・買収)を意図していないという。

原題:SoftBank CEO Tells Trump He’ll Invest $50 Billion in Startups(抜粋)

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