内閣府が8日発表する7-9月期の国内総生産(GDP)2次速報は、推計方法が新基準に改定されることに伴い、名目GDPの規模が約20兆円押し上げられる。これまで含まれなかった研究・開発(R&D)費が加算されるためで、名目GDP600兆円を目標に掲げる安倍晋三政権にとって追い風となる。

  今回の2次速報値から基準年をこれまでの2005年から11年に変更するとともに、国連で採択された国民経済計算の最新の国際基準に対応し、1994年にさかのぼって再推計する。既に米国、英国、カナダなど各国が先行して実施している。

  内閣府が9月15日に公表したリポートによると、新基準で試算した11年のGDP推計値は、旧基準の476.1兆円から491.4兆円と19.8兆円上方修正される。このうちR&D費が設備投資や公的固定資本形成として新たに加算される影響が16.6兆円と大部分を占めている。

  JPモルガン証券の鵜飼博史シニアエコノミストは5日付のリポートで、今回のGDP改定は成長率をかさ上げする方向に働くものの、同時に潜在成長率も上方修正される計算となるため、「マクロの需給ギャップには基本的に影響を及ぼさない」と指摘。「マクロ経済政策運営にはほとんど影響がない」という。

 

  安倍政権が目指している名目GDP600 兆円については、7-9月期時点で「目標に95兆円足りないが、今回のGDP改定だけで名目GDPの水準が20兆円程度切り上がる」ことから、その実現に対しては「プラスの影響が及ぶ」としている。

統計の見直しが本格化

  ブルームバーグの事前予想によると、7-9月期のGDP2次速報値は前期比0.5%増、同年率2.3%と、1次速報(それぞれ0.5%増、2.2%増)から小幅上昇修正される見込み。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは2日付のリポートで、過去データが修正されることや推計方法が変更されることから、「例年の7-9月期2次速報の事前予測以上に不確実性が高い」としている。

  一方、安倍首相が10月21日の経済財政諮問会議で、GDPをはじめとする経済統計の見直しに向けて、日銀とも連携し年内をめどに基本方針を取りまとめるよう関係閣僚に指示するなど、議論が本格化している。

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