3人の米地区連銀総裁が5日、利上げ支持を明確に表明した。ただトランプ次期政権の財政政策の影響への疑念から、3人とも利上げペースについては不透明だと示唆した。

  連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、当局者の金融政策に関する発言が禁止されるブラックアウト期間入り直前のこの日、ニューヨーク連銀のダドリー総裁とシカゴ連銀のエバンス総裁、セントルイス連銀のブラード総裁はそれぞれ別のイベントで、連邦準備制度理事会(FRB)の2つの責務である完全雇用とインフレ率2%の達成に近づいているとの見解を示した。

  これにより、13、14両日に開かれるFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25ポイント引き上げられ、0.5-0.75%となる見通しが強まった。しかしその一方で、3人の総裁ともトランプ氏の規制緩和と減税、インフラ支出拡大の計画によって自身の経済見通しがどのような影響を受けるかを予想するのは時期尚早だと指摘した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の中央値によると、来年末のFF金利誘導目標レンジの上限は1.25%に達する見込み。

  ダドリー総裁はニューヨークのイベントで、「経済が今の軌道を外れないと仮定した場合、短期金利の水準を緩やかに引き上げることで、金融政策の緩和の度合いを時間とともに多少弱めることが望ましいと考える」と発言。その後、「財政政策が向こう数年間、どのように推移するかに関してかなりの不確実性が存在する」とし、財政政策の見通しがはっきりすれば予測を修正するつもりだと述べた。

ダドリーNY連銀総裁
ダドリーNY連銀総裁
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg *** Local Caption *** William Dudley

  同総裁は大統領選以来、金融市場の状況は引き締まっており、それには新たな財政政策が一段と速いペースでの利上げを促すとの見込みが反映されていると説明した。

  またダドリー総裁は講演後に行われたCNBCとのインタビューで、「財政政策がさらに景気拡張的となり、経済活動を支援するとしたら、恐らく金融当局は長期的に緩和の度合いを弱めるペースを若干加速させるだろう」と語った。

  一方、エバンス総裁はシカゴでの講演後に記者団に、次期政権が議論している政策が経済成長の加速に寄与し得ると発言。「財政政策や他のイベントが成長見通しにどのような影響を及ぼすかは現段階ではまだ分からない」としながらも、「失業率4.6%で、経済が引き続き力強さを増す見通しであることから」、政府による「あからさまな刺激策は不要だ」と述べた。

  ブラード総裁はアリゾナ州で記者団に対し、新たな財政政策が経済に及ぼす影響は恐らく、すぐには表れないとした上で、生産性を押し上げるような財政政策が望ましいと表明。「米経済見通しが大きく変わったとは思わない。われわれは来年の成長率2%と、低水準で安定した失業率、インフレ率の2%に向けた回復を引き続き予想している。新しい政策は影響を及ぼし得るが、2018年に影響が表れる可能性がより高い」と説明した。

原題:Fed Officials Eyeing Rate Hike See Path Tied to Fiscal Policies(抜粋)

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