イタリア首相の辞意表明で欧州金融市場が再び混乱するとの懸念が高まる中、5日の為替市場ではユーロがドルに対して一時1年8カ月ぶりの安値に沈んだ。トレーダーはこのユーロ下落を、パリティ(等価)に向かうほんの幕開けにすぎない可能性があるとみている。

  オプション価格が織り込む今後9カ月以内に1ユーロ=1ドルまで下落する確率は、5日の市場で50%を超え、2日の45%から上昇した。1カ月前はわずか16%でしかなかった。

  ブルームバーグが実施したエコノミスト調査でも、2017年末までにユーロがパリティ以下に落ち込むとの予想が53人中9人と、11月調査の2人から増加した。ドイツ銀行が1ドル=0.95ユーロまでユーロ安が進むと見込んだほか、ソシエテ・ジェネラルとナショナル・オーストラリア銀行(NAB)はいずれも4月までにパリティが実現する可能性があると予測。ゴールドマン・サックスはユーロのパリティ到達を2017年に最も有望なトレードの1つに挙げた。

  NABの通貨戦略グローバル共同責任者、レイ・アトリル氏は「現時点から来年のフランス大統領選までにユーロがパリティを付ける可能性は否定のしようがなく、ドルが強含むという文脈でも捉えられる必要がある」と語った。イタリアについては「暫定政権が速やかに発足できるかどうかが今週の鍵になる。これが不可能な場合、銀行不安が一気に表面化し、ユーロの下げ圧力が強まる恐れがある」との見方を示した。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは「レンツィ首相辞任のファーストリアクションはユーロ売り・円買いだが、重要なポイントはいつ解散・総選挙があるかだ」と指摘。3月からオランダ、さらにフランス、ドイツでも選挙が続く中、継続的にユーロを買いたいという話にはならないと述べた。

  唐鎌氏はユーロが来年1-3月に1.02ドルまで下落する可能性があるとしつつ、ユーロ圏債務危機の最中ですら実現しなかったことを考慮すればパリティに至る公算は小さいと予想。「フランスの大統領選挙、さらにドイツの総選挙で右翼が台頭し彼らが欧州連合(EU)から出ていくとなれば崩壊に至るかもしれないが、そこまでまだ言わなくていいだろう」と付け加えた。

原題:Euro Parity in Play for Traders as Italy Succumbs to Populism(抜粋)

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