イタリア国民の憲法改正拒否で計画が狂うのはレンツィ首相ばかりではない。

   欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も、量的緩和(QE)プログラムの軌道を定める上で改憲否決とレンツィ首相の辞任という展開を考慮に入れなければならなくなった。

  国民投票結果は債券スプレッド拡大や成長見通し悪化などの影響をもたらす可能性があり、微妙に調整された金融政策のメカニズムを狂わせる恐れがある。

   ECB政策委員会はQEプログラムの調整や延長について8日に決定する。イタリアが改憲を可決し改革が加速する見通しとなれば、ユーロ圏の成長を持続させたいECBへの援護射撃となるところだったが、否決でECBが再び金融市場安定に乗り出さなければならない可能性も出てきた。

  ベレンベルグ銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は「政治システムを一新し政治の運営を合理化する絶好の機会をイタリアは逃した」とし、「不透明感の高まりでECBが8日に、月800億ユーロの資産購入プログラムをそのまま2017年3月より先まで延長する根拠が強まる」と話した。

   ECB報道官はコメントを控えた。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は結論を急ぐことを戒め、「ECBはユーロ圏の1国ではなく全体のための金融政策を立案するのが仕事だ」とウィーンで述べた。イタリア国債利回りは投票結果を受けて上昇したが「懸念を誘う」水準ではないと語った。

  イタリア国民投票前のブルームバーグのエコノミスト調査では、8日にドラギ総裁が現行ペースでのQE延長を発表するとの予想が示された。大半のエコノミストは17年終盤にテーパリングを開始する余地が生じると見込んでいる。

原題:Renzi’s Italian Fate Also Overshadows Draghi’s Route for QE (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE