国民投票で憲法改正が否決されレンツィ首相が辞意を表明したイタリアは、政治混迷に突入した。欧州金融市場の新たな火種となる。

  首相は5日午後にマッタレッラ大統領に辞表を提出する。レンツィ首相が推進した憲法改正案は約60%対40%という大差で否決された。レンツィ首相は暫定政権の安定維持のために留任する考えはないと示唆している。

  政治リスクが高まる見通しの中でユーロとイタリア国債は下落した。最大の焦点は資本増強の過程にあるモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行だ。同行はローン債権のほぼ3分の1が不良債権化しており増資が急務になっている。

  パドアン経済財務相は5日予定していたブリュッセル行きを取りやめた。ユーロ圏財務相会合の出席は見合わせ、レンツィ首相の辞表提出前の閣議に参加する。

5日、ローマで記者会見するレンツィ首相
5日、ローマで記者会見するレンツィ首相
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  レンツィ首相は記者会見で「イタリアの政治に勝者は誰もいない。私は今回できる限りのことをしたが、国民を納得させることができなかった」と声を詰まらせた。

  英国の欧州連合(EU)離脱、米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利に続き、反体制的な国民感情がまたも勝利を収めた。マッタレッラ大統領はポピュリストの台頭を抑えられる新首相を探さなければならない。世論調査結果は解散総選挙となれば反ユーロ政党「五つ星運動」が政権を得る公算が大きいことを示唆している。

   後継首相候補はパドアン氏のほかグラッソ上院議長やフランチェスキーニ文化相。

  ソシエテ・ジェネラルのグローバル資産配分責任者、アラン・ボコブザ氏は改憲否決が重大な危機につながることはないだろうとして「問題は解散総選挙になるかどうか」だが、そうなるとは思わないと述べた。

原題:Italy Sinks Into Political Limbo as Renzi Swept Away by Defeat(抜粋)

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