りそなホールディングスの東和浩社長は、2017年4月からスタートさせる中期経営計画(3カ年)の重要戦略の一つとして手数料収益の拡大を進める方針を示した。投資の初心者を想定した新たな金融商品の投入などにより、収益拡大につながる顧客の掘り起こしを図る。

りそなHDの東和浩社長
りそなHDの東和浩社長
Photographer: Akio Kon/ Bloomberg

  東社長はブルームバーグとのインタビューで、業務粗利益の27%となっている手数料収益について「比率が小さい」とし、次期中計では「4割まで引き上げたい」と述べた。16年3月期をベースに試算すると、年間で800億円の上積みとなる。

  金融庁は金融レポートで銀行業界について、低金利が続く中、規模拡大による収益確保はより難しくなっており、安定的な収益基盤の構築が重要と指摘している。りそなHDでは粗利益の大半を占める資金利益が08年3月期から9年連続で減少しており、収益源の多様化が課題となっていた。

  東社長は貸出利息などの資金利益が収益の根幹であることは変わらないが、「依存度を下げていく」と語った。具体的な手数料増強策としては、初心者向けに来年2月からファンドラップ(投資一任運用)商品を取り扱うことや、地方銀行と連携したM&A(合併・買収)関連業務の強化を挙げた。

フィデューシャリー・デューティー

  新たに投入するファンドラップは他行や大手証券に比べ後発となるが、東社長は「安定運用を望む初心者でも投資を始めやすいようにすることが重要だ」と述べた。運用手数料は1%未満(他に信託報酬)の低水準に設定し、長期運用による割り引きも検討しているという。期待リターン(手数料控除後)は1%からとする。

  金融庁は10月公表の16事務年度行政方針で、国民の安定的な資産形成を促すため、金融機関に対し手数料の開示やリスク説明の徹底など顧客本位の業務運営(フィデューシャリーデューティー)の確立を求めている。東社長は、こうした金融庁の指摘に対応していく考えを示した。

  M&A関連で11月に地銀と企業情報を共有するデータベースを立ち上げ、りそなが営業地盤とする首都・関西圏の企業と事業譲渡を模索する地銀の顧客をマッチングし、円滑なM&Aを支援して手数料を得る。東社長によれば、すでに北洋みなと山口琉球銀行が参加し、今後20行程度まで連携先を拡大する計画だ。

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