5日の東京株式相場は続落。米国の雇用統計を受け米長期金利が低下、為替もドル安・円高方向に振れ、収益環境の好転期待が後退した。銀行や保険など金融株、不動産や建設、サービス株といった内需セクター中心に売られ、自動車やゴム製品など輸出株の一角も安い。

  TOPIXの終値は前週末比11.02ポイント(0.7%)安の1466.96、日経平均株価は151円9銭(0.8%)安の1万8274円99銭。

  三菱UFJ国際投信・経済調査部の向吉善秀シニアエコノミストは、「米雇用統計は内容がまちまちだった。リスク資産への資金シフトが早かったことから、短期的には米金利上昇にスピード調整が入りつつある」と指摘。相場の長期トレンドが続くには「ガス抜きも必要で、米FOMC前の今週はちょうど利益確定売りも出やすい」と話した。

東証外観
東証外観
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米労働省が2日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比17万8000人増とエコノミスト予想の中央値18万人増を下回った。平均時給は前月比0.1%減の25.89ドルと予想外に低下。フルタイムでの職を望みながら、パートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は前月から0.2ポイント下げ、9.3%となった。

  雇用統計が労働市場の強さに関しまだら模様の結果となり、2日の米10年債利回りは前日から7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.38%。東京時間5日の時間外取引でも一段と低下した。こうした影響を受けたきょうのドル・円相場は、おおむね1ドル=113円台半ばで推移、前週末の日本株終値時点114円7銭に比べドル安・円高水準で取引された。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、上昇と予想していた平均時給はマイナスだったなどとして、「米雇用統計は全体として予想に届かなかった印象。米企業は売り上げや利益の見合いで、これ以上雇用するのはいかがなものかと考えているようだ。非農業部門雇用者数は米国の消費や景気の先行指数であり、景気は思ったほど改善していない」との認識を示した。

  先週までTOPIXはおよそ1年ぶりの4週続伸となり、この間の上昇率は9.7%に達した。目先の損益確定売りが出やすい中、きょうのTOPIXは午後に1%以上下げる場面があり、日経平均も200円近く安くなったが、取引終了にかけてはやや下げ渋った。大和証券投資戦略部の高橋和宏株式ストラテジストは、「これまでの日本株の株高要因は米金利高とドル高がけん引役になっていた」とし、これらの動きが沈静化したことで「積極的な売りというより、上げ一服感による売りが出た」と言う。

  一方、憲法改正の是非を問い、4日に投開票されたイタリア国民投票は開票作業がほぼ終了、反対票が約60%と賛成の40%を上回った。レンツィ首相は敗北を認め、辞任すると表明。為替市場ではユーロが一時急落する場面があったが、投票結果は事前予想通り。シティグループのストラテジスト、ケン・ペン氏(香港在勤)は「株価への影響は中立」とみるなどきょうのマーケットへの直接的影響は限られた。東証1部の売買高は20億6800万株、売買代金は2兆2938億円で、4営業日ぶりに3兆円を割れた代金は11月22日以来の低水準。上昇銘柄数は539、下落は1327。

  東証1部33業種は銀行、不動産、サービス、建設、保険、空運、その他金融、電気・ガス、ゴム製品、鉱業など26業種が下落。水産・農林や海運、卸売、機械、化学など7業種は上昇。

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、ファーストリテイリング、ホンダ、オリックス、ディー・エヌ・エー、三井不動産が安く、建設の月次受注が2カ月連続でマイナスだった大東建託も安い。半面、三井物産や東芝、住友化学、JR九州、スクウェア・エニックス・ホールディングス、SUMCOは高く、クレディ・スイス証券が投資判断を上げたDMG森精機は急伸した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE