債券相場は上昇。前週末の米国債市場で長期金利が低下に転じたことに加えて、日本銀行の国債買い入れオペや国債の大量償還によって需給が逼迫(ひっぱく)するとの観測を背景に、買い圧力が掛かった。

  5日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前週末比12銭高の150円60銭で取引を開始した。一時2銭高まで伸び悩んだ後は持ち直し、150円63銭と11月30日以来の高値を付けた。結局は寄り付きと同水準の150円60銭で引けた。

  SMBC日興証券の末澤豪謙金融財政アナリストは、この日の相場上昇について、「イタリアの国民投票の結果よりは、米雇用統計の結果を受けた米債高が影響している」と指摘。「円債市場は黒田緩和でマクロ的なファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)とはかけ離れた状況にある」とし、「黒田緩和もアベノミクスの一環なので、円債市場に最終的に影響するのは日本の政治だ。当面は継続する可能性が高いので、金融政策にも大きな波乱は考えにくい」と話す。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低い0.025%で開始。午後にいったん0.035%まで売られた後は0.03%に戻している。新発2年物の371回債利回りは0.5bp低いマイナス0.185%、新発5年物の129回債利回りは1bp低いマイナス0.115%を付けている。

  2日の米国債相場は上昇。10年債の利回りは前日比7bp低下の2.38%程度となった。この日のアジア時間ではリスク回避の動きなどから2.34%を割り込む場面も見られている。

11月の米雇用統計の結果はこちらをご覧ください。

  イタリアのレンツィ首相は5日未明、進退をかけた国民投票(4日投開票)で憲法改正案が否決されたのを認め、辞任すると表明した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、市場の関心は来年以降の米利上げペースに移るが、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では新政権の始動前で具体的な判断は示されない見通しと言い、「消化しきれないまま年越しとなり、株の上値は抑えられ、結果的に債券は安定的に推移し、長いところは買われる」展開を見込む。また、「12月は国債償還など資金余剰感が強くなる上、米利上げで年明け以降にリスクオフの動きも出かねない」とし、「もろもろ考えると、金利が下がる方の材料が増えてくる」とみる。

日銀国債買い入れ

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀が実施した長期国債買い入れオペの結果は、残存期間「1年以下」の応札倍率が4.20倍と、前回から低下した一方、「10年超25年以下」は3.51倍、「25年超」は3.22倍と、いずれも前回を上回った。

  一方、今週は6日に流動性供給入札、8日に30年債入札が予定されている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「超長期国債の供給を控えていることが需給面の一定の重しになるだろう」とみている。 

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