東京電力フュエル&パワーと中部電力が共同出資したJERAは、産ガス国であるカタールと共同で海外発電所向けの液化天然ガス(LNG)販売を検討している。LNG契約の柔軟性をめぐっては売り手と買い手の議論が平行線をたどる中、新たな需要の創出では両者が協調する形態を探る。

  世界最大級のLNGの買い手であるJERAは11月25日、国営カタール・エレクトリシティ・アンド・ウォーターの子会社であるネブラス・パワーと海外発電ビジネスに関する覚書を締結した。販売・調達部長の佐藤裕紀氏は2日のブルームバーグの取材で、ネブラスと開発する海外の発電所向けLNGの共同販売について、世界最大手の国営カタールガスと協議する考えだと話した。

  LNGの世界的な供給過剰は今後数年間は続くとみられる中、世界最大のLNG輸入国・日本など主要な消費国は、第三者への転売を制限する「仕向け地条項」の緩和や撤廃を含めた売買契約の柔軟性拡大を求めている。これに対する売り手側の抵抗感も根強い。

  電力需要はアジアなどの新興国を中心に今後増加することが見込まれており、成長市場での新規LNG需要の創出は、JERAのような海外進出を目指す電力・ガス会社が売り手と協調できる分野として拡大する可能性がある。

  佐藤氏は、売り手と買い手が「一緒にプロジェクトに投資をしていれば、その分は利害の対立はなくパートナーとなる」とし、「そういうパートナーシップの領域を増やしていくことが、実は業界全体の発展につながる」と指摘した。両者が対立する構造から、一緒にLNGの需要を生み出す方向へ「シフトしていかないと駄目だ」と語った。

  カタールガスとの共同事業については、JERAがカタールガスから購入したLNGの仕向け地変更など、さまざまなやり方が考えられるという。詳細は今後協議すると話した。

1-2割が仕向け地制限なし

  LNGの第三者向け販売であるトレーディング事業の拡大を狙うJERAでは、2020年時点で4千万トンの調達量の約1ー2割が仕向け地制限がないか、制約のハードルが低いものになる見通し。こういったLNGを活用し、アジアや中東の国々に対する販売を強化したい考えだ。

  佐藤氏は、新興国での販売について、支払いをどう担保するかなどの信用リスクの管理が大きな課題と指摘。その上で「クレジットリスクが高い国でも、昔からエネルギービジネスに既に参入している海外企業もある」と述べ、そういった会社と共同で事業展開するなどの選択肢が考えられると話した。

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