数カ月にわたりドーハやモスクワなどで会合を重ねた後、難局を打開したのは、世界の石油業界で最も影響力を持つ人物のうち2人が午前2時に電話で交わした会話だった。

  11月30日の石油輸出国機構(OPEC)総会が間近になっても、世界の原油供給過剰の緩和に向けた減産に関して最終合意に至る見込みは芳しくなかった。各国の減産幅をめぐってOPEC加盟国間の交渉は行き詰まったままだった。ロシアやブラジルなど他の産油国の協力を得ることを目指す協議は何度か中止を余儀なくされていた。

  しかし、リヤドとモスクワ時間の29日早朝、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相とロシアのノバク・エネルギー相が話し合いを持った。

  協議に直接関わった当局者や閣僚によれば、ノバク・エネルギー相は、ロシアが長期にわたって主張していた単なる増産凍結でなく、OPECが世界各地の他の産油国に求めている減産幅の半分を引き受ける意向を示した。その代わり、ファリハ・エネルギー相には翌日、OPECに対し減産幅について具体的な数字を提示するよう促すことが課された。

  ファリハ・エネルギー相には約束を実行する意志があった。OPECは現地時間30日午後5時ごろ、ウィーンの本部で日量120万バレル規模の2008年以来となる減産で最終合意したと発表。当局者らはロシアなどOPEC非加盟国も日量60万バレルを減産する方針だと誇らしげに宣言した。その後、米原油価格は15%余り上昇して1バレル=50ドルを超え、北海ブレント原油は約1年ぶりの高値を付けた。

  スイスのコンサルタント会社ペトロマトリックスのマネジングディレクター、オリビエ・ジャコブ氏は「試みは何度か失敗したが、OPECはついにやり遂げた」と述べた。
  
原題:OPEC Deal Hinged on 2 a.m. Phone Call and It Very Nearly Failed(抜粋)

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