来週の債券市場では長期金利が上昇すると予想されている。米国の金利先高観の再燃を背景に売り圧力が掛かりやすく、利回り曲線のスティープ(傾斜)化が続くとの見方が出ている。一方、金利の大幅な上昇局面では日本銀行が指し値オペを実施するとの観測も根強く、オペが入る水準をめぐる攻防が注目されている。

  今週の長期金利は、前週末に実施された40年債入札が好調だった流れを引き継ぎ、買いが先行し、いったん0.01%まで低下。その後は内外の経済指標の強さや米金利上昇などを背景に売り圧力が掛かり、2日には0.045%と11月25日に付けた2月以来の高水準に並んだ。

日本銀行
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「来週の円債も米金利上昇を受けた金利上昇圧力、スティープニング圧力が続く」と見込む。半面、「12月は国債の大量償還もあり、こうした需給が円債市場を下支えする」ほか、「10年債利回りが0.08%に近づくと、日銀の指し値オペリスクも意識され、下値は支えられそう」と話す。

  米10年国債利回りは週明けに買いが先行し、2.3%を割り込む局面もあったが、その後は切り返して1日には一時2.49%と昨年6月以来の水準まで上昇した。

  この日の米国時間には11月の雇用統計が発表される。また、イタリアでは4日に憲法改正の是非を問う国民投票が予定されており、波乱要因となることが警戒されている。一方、来週は国内で8日に7ー9月期国内総生産(GDP)などの経済指標が発表される。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「来週は米雇用統計とイタリア国民投票の結果を受けた動きになる」と指摘。「日本のGDP改定値は景気がそこそこ堅調だと確認する内容になるだろう」とみる。

  財務省は6日に流動性供給入札、8日には30年利付国債の入札を実施する。マスミューチュアルの嶋村氏は、「超長期債にスティープニング圧力がある中で、30年債入札が行われる。30年債そのものは償還再投資需要も見込まれ、堅調な結果が予想される」と言う。  

市場関係者の見方

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◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*米10年債利回りの2.5%が意識されそう
*米金利は良い材料にだけ反応している面がある
*長期金利の予想レンジは0.00%~0.06%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド
*10年債利回りは0.05%超えると0.1%視野に入り、今まで何度か跳ね返されている
*金利上昇時に日銀がここで動くかが焦点になる
*長期金利の予想レンジは0.00%~0.10%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*積極的な買い材料見当たらず、長期金利の低下は限られる
*国債大量償還控えた投資家の押し目買いなど良好な需給環境が大幅な利回り上昇を抑制
*長期金利の予想レンジは0.00%~0.06%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*米雇用統計次第。大きなネガティブ要因とならず、12月利上げを確実にする材料になるとみる
*OPEC総会は取りあえず決めることができたことが大きな出来事。リスクオンの展開
*長期金利の予想レンジは0.02%~0.07%
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