トランプ次期米大統領は1日、メキシコへの工場移転を取りやめることで先月末に合意した空調機器メーカーのキヤリアについて、大統領選直後に親会社の経営トップに電話し、インディアナポリスのキヤリア工場を閉鎖しないよう求めたことを明らかにした。トランプ氏は選挙戦で国内雇用の維持をスローガンに掲げ、同移転計画を名指しで批判し、阻止を公約していた。

  トランプ氏はペンス次期副大統領と共にこの日訪れたキヤリアの同工場で、親会社ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)のグレッグ・ヘイズ会長兼最高経営責任者(CEO)にかけた電話に言及。「私はグレッグに電話で、これは非常に重要な問題であり、多くの人々が去ることになるため何とかすべきだと伝えた」と述べた上で、「われわれは米国でこうしたことが起きるのをこれ以上容認できない」と発言した。

  トランプ氏は大統領就任の1カ月余り前に早くも、主要公約の1つを果たしたと主張することができそうだ。同氏にとって政治的勝利であることは間違いないが、組合労働者やエコノミストは個々の工場所有者に圧力を加えても、米製造業の雇用喪失に歯止めは掛からないと指摘する。企業や大統領の影響力を超えた経済のダイナミズムが原因だからだという。

  キヤリアはインディアナ州インディアナポリスの工場の約1100人の雇用維持で合意。700万ドル(約8億円)相当の税などの優遇措置を同州から受ける。ただ約1300人分の雇用をメキシコに移転する。

  実際、キヤリアの同工場から1マイル(約1.6キロメートル)も離れていないところにある工業機械メーカー、レックスノードのベアリング工場は閉鎖される予定で、350人が職を失う。全米鉄鋼労働組合(USW)によれば、同業務はメキシコに移転し、レックスノードは年約1550万ドル節減できるという。

原題:Trump Claims Victory at Carrier as Manufacturing Still Bleeds(抜粋)

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