石油輸出国機構(OPEC)の仕事はまだ終わっていない。

  原油トレーダーや投資家は11月30日の減産合意を歓迎したが、歴史を振り返ると過去の合意の順守は不完全だった。各国が生産枠を守っても、適用を免れた国が増産すれば、全体としての目標達成はほとんど不可能だろう。OPEC非加盟国の減産を監視することの難しさも、不確実性をさらに高めている。

  スイスのコンサルティング会社ペトロマトリックスのマネジングディレクター、オリビエ・ジャコブ氏は、「生産枠の順守で問題が生じるのは確実だ」と指摘。減産を免れたリビアとナイジェリアの増産でOPEC産油量は次の四半期に生産枠を超え、「OPEC非加盟国から100%の順守を引き出すことも非常に難しい」と述べた。

  OPECは2カ月前の合意レンジの下限である日量3250万バレルに減産することに最終合意した。世界的な供給過剰が一段と急ピッチに是正されるとの観測から、原油価格は1バレル=50ドルを上回った。しかし、前回OPECが全体の生産枠で合意した後、24カ月中20カ月はそれを上回ったことから、生産枠は2015年末に廃止された経緯がある。

  ゴールドマン・サックス・グループは11月30日、「焦点は今後、合意の履行に移る」と指摘し、「順守の形跡」が見えれば同社の原油価格予想を1バレル=6ドル上方修正する余地があることを明らかにした。ジェフリーズ・グループは「OPECの合意順守が極めて重要になる。過去の実績は乏しく」、OPEC非加盟の産油国による順守は「さらに不透明だ」とコメントした。

  コンサルティング会社IHSエナジーのディレクター、スペンサー・ウェルチは、「1つの重要なポイントで合意破りとなる可能性があるのは、ナイジェリアやリビアが生産を一部回復した場合にどうなるかだろう。OPECが3250万バレルの上限を堅持するのか。その場合どこが追加減産に応じるかだろう」と指摘した。

  30日の減産合意の大部分を負担したのはサウジアラビアで、日量48万6000バレルの減産を受け入れた。ただウェルチ氏によれば、サウジは通常、気温低下で需要が減る冬季に生産を50万バレル前後減らす傾向があるため、「サウジが実際にどれだけ減産を実行しているかは、2017年5月まではあまり明らかにならない」という。

  OPECは合意の成果を見極めるため来年5月25日に次回会合を開く予定で、当初6カ月とした減産を延長する選択肢もある。OPECは減産を監視するため、クウェートやベネズエラ、アルジェリア、OPEC非加盟2カ国の代表で構成される委員会を設立する。

原題:OPEC History Shows Hard Work on Cuts Deal Is Only Just Beginning (抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE