欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、雇用統計前に持ち高調整-イタリア投票も警戒

  1日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。2日の米雇用統計や4日のイタリア国民投票を控えてドルの買い持ちを減らす動きになり、前日の上昇の大半を失った。

  ドルは主要10通貨の大半に対して下落。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%下げた。

  マークイット・エコノミクスが発表した11月の米製造業購買担当者指数(PMI)改定値と、米供給管理協会(ISM)の11月製造業総合景況指数はともに予想を上回った。週間新規失業保険申請件数は予想以上に増加した。市場の注目はなお雇用統計の非農業部門雇用者数に集まっているものの、米金融当局の見解を大きく変えることはないとみられている。

  英国が欧州連合(EU)離脱後も単一市場へのアクセスで優遇が受けられるとの観測から、ポンドは大幅高となったが、米10年債利回りの上昇を受けて伸び悩んだ。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.3%下げて1ドル=114円10銭。対ユーロでは0.7%安い1ユーロ=1.0661ドル。ポンドはドルに対して0.7%高の1ポンド=1.2591ドル。

  英国のデービスEU離脱担当相は、可能な限り有利な単一市場へのアクセスを確保するために英国はEUへの拠出を検討すると述べた。ユーロ圏財務相会合議長のデイセルブルム・オランダ財務相はタイムズ・オブ・マルタ紙に、コストはかかるが英国がEU域内市場に参加することは可能かもしれないと語った。

  みずほ銀行(ロンドン)のヘッジファンドセールス責任者、ニール・ジョーンズ氏は「英国が単一市場にとどまれば、ポンドは上昇する可能性が非常に高い」と指摘。当局者の発言は「ハードからソフトBrexitへ振り子がシフトしたことを示している。ソフトBrexitになれば、どうにかして単一市場へのアクセスを得ることになる」と述べた。
原題:Pound Jumps Amid Speculation U.K. Can Reach Single-Market Deal(抜粋)
INSIDE G-10: USD Drops, Positions Trimmed Before NFP; Yields Up(抜粋)

◎米国株:下落、テクノロジーに売り-銀行やエネルギーは上昇

  1日の米国株式相場は総じて下落。特にテクノロジー銘柄が売られた。一方、銀行やエネルギー株は上昇した。

  S&P500種株価指数は0.4%下げて2191.08。一方、ダウ工業株30種平均は68.35ドル(0.4%)上げて19191.93ドル。テクノロジー銘柄の比重が高いナスダック100指数は1.6%下落した。

  テクノロジー株は米大統領選挙後の株高の流れから取り残され、伸び悩んでいる。トランプ次期米政権の顔ぶれが金融セクターの規制緩和を示唆するとの観測から、金融株は買いを集め、指数は2008年2月以来の高値に押し上げられた。石油株も高い。石油輸出国機構(OPEC)が減産で最終合意したことが好感された。その一方で、トランプ次期政権の貿易政策は大型のテクノロジー企業を不利にする可能性があるとして懸念されている。

  アップルが「iPhone(アイフォーン)7」向けの発注を減らし始めたとのデジタイムズの報道に反応し、テクノロジー株は大きく下げた。半導体株は4.6%下落した。IBMやマイクロソフトはいずれも安い。

  マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「赤字拡大に伴い金利が上昇する可能性がある。それが一部の金利変動に敏感なセクターには圧力をかけている」と述べ、「その半面、石油関連がこの日も堅調で、インフラ投資の恩恵を受けるとみられる銘柄も上昇している」と続けた。

  景気の強さや利上げ時期を見極める上で投資家の関心は2日発表の米雇用統計に移っている。金利先物市場が示唆する12月利上げの確率は100%。11月初め時点では68%だった。

  自動車株は上昇。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが高い。両社の月間自動車販売は市場予想を上回った。

  エネルギー株は続伸。コノコフィリップス、マラソン・オイルが買いを集めた。OPECは前日に8年ぶりに減産に合意した。

  一方、ダラー・ゼネラルは下落。第3四半期利益・売上高がアナリスト予想を下回ったことが嫌気された。BEエアロスペースも安い。米ロックウェル・コリンズによる64億ドルでの買収案についてアクティビスト(物言う株主)のスターボード・バリューが再考するよう求めている。
原題:U.S. Stocks Retreat as Tech Shares Plunge, Banks Add to Gains(抜粋)

◎米国債:下落、米次期政権の政策がインフレと成長押し上げとの見方

  1日は米国をはじめ世界的に国債相場が下落。トランプ次期米大統領の政策がインフレと米経済を押し上げるとの見方が広がっている。2日発表される11月の米雇用統計を控えて、米10年債利回りは2009年以降で最大の上げとなっている。

  米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利により財政出動が拡大するとの見方が強まったことや、利上げ期待を受けて、市場ではいわゆるリフレトレードが広がった。さらに石油輸出国機構(OPEC)による前日の減産合意を受けて原油価格が上昇したことで、リフレトレードは一層活発になっている。

  ジョーンズトレーディングのマネジングディレクター、ブレット・モック氏はインタビューで、「債券利回りの上昇に原油の値上がり、すべてが各国の中央銀行が長年にわたるデフレ圧力を抑えるために支持するインフレのシグナルだ」と続けた。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.45%。

  ロイター通信はこの日、欧州中央銀行(ECB)が次回の政策決定会合で資産購入を来年3月より後も継続する意向を示しつつ、ゆくゆくは終了するとの正式なシグナルを発することを検討していると報じた。この報道に反応して欧州の国債が下げたことも、米国債の下落の一因となった。

  また米供給管理協会(ISM)が発表した製造業総合景況指数が予想を上回ったことも手掛かりに、米国債は売られた。

  ISMが発表した11月の製造業総合景況指数は53.2と、前月の51.9から上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は52.5だった。

  ジェイ・バリー氏らJPモルガンのストラテジストは2017年の見通しとして、米経済成長とインフレの加速や金融当局による2回の利上げ、財政バランスの悪化により10年債利回りは上昇すると予想。ただし1-3月(第1四半期)にはいったん低下し、その後上昇を再開するとしている。

  ストラテジストらは金融環境の引き締まりに伴う成長抑制などから、10年債利回りは第1四半期に2.20%に向けて低下すると予想した。大統領選後に見られる金融環境の引き締まりにより、17年上期の国内総生産(GDP)の成長率予想2%は達成されない恐れがあると指摘。米経済は「年初の段階ではコンセンサス予想を下回る傾向がある」と加えた。
原題:Treasuries Slump in Oil-Driven Rout While Banking Stocks Rally(抜粋)
原題:USTs Bear Steepen With EGBs; Yields Breach YTD Highs(抜粋)
原題:UST 10Y Yield Will End 2017 at 2.55%, Test 2.20% in 1Q: JPM(抜粋)

◎NY金:続落、10カ月ぶり安値-ETF通じた売りが継続

  1日のニューヨーク金先物相場は続落し、ほぼ10カ月ぶりの安値となった。米経済が強さを増していることを背景に高利回り資産への投資が進む中、金連動型上場投資信託(ETF)からの資金引き揚げが継続した。

  ゼイナー・グループ(シカゴ)のシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏は電話インタビューで、「金利が上がれば、確実に金を圧迫するだろう」と指摘。トランプ次期米大統領は「企業にとっては強力な味方のようだ。最悪の要素が重なっている。需要は著しく減少している」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日比0.4%安の1オンス=1169.40ドル。銀は上昇した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウム先物3月限は2.7%下げて751.70ドル。プラチナは0.2%高の911.30ドル。
原題:Gold Slides to 10-Month Low as Fund Selling Binge Haunts Market(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、OPEC合意を引き続き好感

  1日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続伸。ロンドンで取引される北海ブレント原油も急伸し、年初来高値を更新した。石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりの減産で最終合意に至ったことを受け、次の焦点はその合意がどれだけ厳密に守られるかに移った。

  ESAIエナジー(マサチューセッツ州ウェイクフィールド)のマネジングディレクター、サラ・エマーソン氏は「減産合意には本当に感心させられた」と話す。「減産幅は予想より大きかったし、イランとイラクにそれぞれの形で参加させることに成功した。この事実は来年下期の市場で極めて強い材料になるだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比1.62ドル(3.28%)上昇の1バレル=51.06ドルで終了。終値ベースで10月19日以来の高値。ロンドンICEのブレント2月限は2.10ドル高い1バレル=53.94ドル。終値ベースで2015年8月31日以来の高値。
原題:Brent Oil Jumps to Highest in More Than a Year After OPEC Accord(抜粋)

◎欧州株:3日ぶり下落、高配当銘柄安い-国債利回り上昇で投資妙味減退

  1日の欧州株式相場は3営業日ぶりに下落。高配当銘柄の下げが目立った。

  スイスの食品会社ネスレや英蘭系消費財メーカーのユニリーバなどの消費関連銘柄が大きく下げた。国債利回り上昇で、株式の投資妙味が減退したことが背景にある。一方、石油・ガス株は上昇し、2日間の上げ幅は6月以降最大を記録。鉱業株と銀行株も買われた。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%安の340.86で終了。一時は0.7%下げていた。前日は石油輸出国機構(OPEC)が減産合意に至ったことを手掛かりに上げたものの、週間ベースでは依然として下げている。12月は4日のイタリア国民投票をはじめ、投資家注目の政治経済イベントが相次ぐ。2日発表の米雇用統計に加え、欧米で中銀会合が控えている。

  シティ・インデックス(ロンドン)の市場アナリスト、ケン・オデルガ氏(ロンドン在勤)は「国民投票を前に投資家の間にはかなりの不安がある」とし、「OPEC合意で前日に相場が上昇したにもかかわらず、まだかなりのショートポジションがある。悪い結果なら株式の売りが膨らむだろう。明らかにボラティリティが高まる余地がある」と語った。

  個別銘柄では、スペインのポプラール・エスパニョール銀行が14%高と急伸。新聞発行を手掛ける英デイリー・メール・アンド・ゼネラル・トラスト(DGMT)は3%上げた。
原題:European Stocks Snap Two-Day Advance as Income Shares Decline(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債と英国債が下落-債券の強気相場は終えんか

  1日の欧州債市場では、ドイツ国債と英国債がいずれも下落した。30年間続いた債券の強気相場は、劇的な終わり方をしそうだ。

  ドイツ10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.34%。英10年債利回りも6bp上げて1.47%となった。

  ブルームバーグ・バークレイズ・アグリゲート・トータルリターン指数は11月に4%低下。指数算出開始の1990年以後で最大の下げとなった。金額ベースでは1兆7000億ドル(約194兆円)が消えた。石油輸出国機構(OPEC)が減産合意に至ったことを受けてインフレ見通しが高まり、債券相場はこの日も軟調に推移している。

  トランプ次期米大統領が表明している減税やインフラ投資の政策が債券から株へのシフトを引き起こした。世界の株式市場の時価総額は11月に6350億ドル増えた。

  米当局が利上げを加速させる見通しやインフレ期待の上昇、米国以外の中央銀行が国債購入を減らす観測と、債券の上昇相場が終わる理由には事欠かない。

  日興アセットマネジメント(オーストラリア)の金利・為替担当チーフ・グローバル・ストラテジスト、ロジャー・ブリッジズ氏は「債券強気相場が終わりを迎えたと大勢の人が考え始めている」と述べた。
原題:Global Bonds Suffer Worst Monthly Meltdown as $1.7 Trillion Lost(抜粋)

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