債券相場は下落。前日の欧米国債市場で長期ゾーンの金利が大幅に上昇した流れを引き継ぎ、売りが優勢だった。半面、日本銀行が実施した長期国債買い入れオペが相場を下支えした。

  2日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比18銭安の150円32銭で取引を開始。その後は下げ幅を縮め、午後に入るとプラスに転じ、一時150円53銭まで上昇。その後は伸び悩み、結局は2銭安の150円48銭で引けた。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「米雇用統計やイタリア国民投票の結果を受けた市場の反応が不透明なので、ここで決め打ちしてどちらかに張るのは難しい」と話した。「トランプ相場のリスクオンは一服し、ポジションを落として様子見する動きが広がっている。ただ、リスクオフではない。ファンダメンタルズは世界的にそこそこ強く、金利低下には限りがある。金利へのアゲインストはまだ強そうな感じだ」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高い0.045%で開始。新発として11月25日に付けた2月以来の高水準に並んだ。午後は日銀オペ結果を受けて0.035%に戻した。

  新発20年物の158回債利回りは1.5bp高い0.485%を付けた後に0.48%、新発30年物の52回債利回りは1.5bp高い0.605%まで売られた後、0.595%に戻している。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、先週末からいったん低下していた海外金利はこの2日間で再び上昇基調となっており、世界的な債券安の流れが意識されやすい中、円債市場も弱 めの展開を余儀なくされていると指摘。ただ、「長期や超長期ゾーンの利回りは、11月に付けた一番高い水準に近づいており、いったん上昇が止まっている」と述べた。

日銀国債買い入れオペ

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀はこの日、今月1回目の長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年超3年以下」が4000億円、「3年超5年以下」が4200億円、「5年超10年以下」が4100億円と、いずれも前回と同額だった。

  オペ結果によると、3本とも応札倍率が前回から低下した。国債市場で売り圧力が弱まっていることが示された。

日銀長期国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  三井住友アセットの深代氏は、「日本は量的緩和で需給が引き締まっている上、日銀が上昇を止めるツールを持っているので、海外ほどは上がりにくい」と指摘。ただ、「超長期債の利回りにはまだ上昇余地があり、もう少しスティープ化してもおかしくない」と話した。

  1日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比7bp上昇の2.45%程度で終了。一時2.49%と昨年6月以来の高水準を付けた。トランプ次期米大統領の政策がインフレと米経済を押し上げるとの見方が広がる中、原油価格上昇や米経済指標の改善に加えて、11月の米雇用統計を控えた売りが出た。同日の欧州債市場ではドイツ国債と英国債がいずれも下落した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「外債金利上昇と比較すればかなり小さな動き」としながらも、「来週の流動性供給入札や30年債入札に向けて、まだ押し目買いが入る段階でもなさそうだ」とみる。「良くも悪くも10年債が日銀ターゲット効果によって売られない分、周りのゾーンが調整弁になりやすい」と指摘した。

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