年内最後の連邦公開市場委員会(FOMC)開催を13、14両日に控えた米金融当局にとって、労働省が2日に発表する11月の雇用統計は、利上げするのに十分健全な労働市場の実態を裏付けるものとなる見通しだ。だがトランプ次期大統領の目には、まだ「悲惨」と映るかもしれない。

  ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値によれば、11月の非農業部門雇用者数は前月比18万人増と、前月の16万1000人増から伸びが加速し、失業率は前月と同じ4.9%と、8年ぶりの低水準にとどまると見込まれている。平均時給も前年同月比2.8%上昇と、2009年以来の高い伸びとなった前月と同じペースとなる見通し。

  投資家は、今月のFOMCでの利上げを確実視しているが、金融当局者は労働市場が順調な状態にあることを確認しようとするだろう。これに対し、雇用情勢を「経済的惨事」と呼んだトランプ氏は、11月の雇用統計を見て考えを改めるかもしれない一方で、労働市場から離脱してしまった働き盛りの年齢の米国人の数などを根拠とした従来の主張を繰り返すかもしれない。

  オックスフォード・エコノミクスの米マクロ経済責任者、グレゴリー・ダコ氏(ニューヨーク在勤)はトランプ氏について、「両方のいいとこ取りをする可能性がある」と指摘。働いていないか、失業・再就職して以前の仕事よりも給与が減った人々には、経済と労働市場の不振が続いているとの見方をあらためて伝え、他のデータで賃金が上昇しつつあると示されれば、「自身の政権の下で事態は改善の一途をたどるとトランプ氏は言うかもしれない」とダコ氏は説明した。

  トランプ氏は選挙戦で、減税とインフラ支出という自身の政策が成長を押し上げ、10年間で2500万人の雇用を創出すると訴えた。同氏が次期財務長官への起用を決めたスティーブン・ムニューチン氏は11月30日、平均的な米国の労働者のために良質の雇用と賃上げを実現することが「次期政権の優先課題だ」とコメントした。

原題:Two Views of U.S. Jobs Data: Strong Enough for Fed But Not Trump(抜粋)

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