トランプ次期米大統領が計画している法人税減税によって、2008年の金融危機後に繰り延べ税金資産を計上した多くの大手米銀の利益が、一時的に大きな打撃を被る可能性がある。

  シティグループの最高財務責任者(CFO)や複数の銀行アナリストらの最近の見積もりによれば、同行の利益への影響は120億ドル(約1兆3700億円)以上と最も大きくなりそうだ。広報担当のマーク・コスティグリオ氏はコメントを控えている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やウェルズ・ファーゴなど他の米銀も数十億ドル相当の評価損に直面する恐れがある。

  銀行や企業は当期の税務上損失として処理できず、税金の支払いが生じた引当金の繰入超過額などについて、将来の税金の戻りを想定し、繰り延べ税金資産として計上しているが、法人税引き下げの影響で取り崩しを迫られると予想される。規制要件の資本水準には大きく影響せず、減税が長期的に増益につながる効果も期待されるが、銀行の利益は一時的に打撃を受け、厳しい影響が1四半期だけでなく1年にわたり続く可能性がある。

  独立系の税務会計専門家であるロバート・ウィレンズ氏(ニューヨーク在勤)は、多くの繰り延べ税金資産を計上している企業にとって、「痛手となる経験だ」と指摘。「純資産のかなりの部分が一撃で煙のように消えてなくなる」との見方を示した。

原題:Trump’s Tax Cut Means Billion-Dollar Writedowns for U.S. Banks(抜粋)

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