ブラジルでミシェル・テメル氏が5月に政権を率い始めると、2年にわたる深刻なリセッション(景気後退)からの脱却期待で市場は沸いた。半年が過ぎたが、依然としてそれを待ち続けている状況だ。

  同国上院が11月29日遅くの第1回投票で歳出に上限を設ける法案を可決したことで、テメル政権は財政立て直しに向けて大きく前進したものの、30日に発表された7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)統計は7四半期連続で前期比マイナス成長となっただけでなく、回復が近いことを示唆するものではなかった。7-9月はサービス、個人消費、さらに競争力の高い農業部門もマイナス成長となり、投資は前期比で3.1%減少した。

  前任の大統領が罷免され、大規模な贈収賄スキャンダルで企業幹部や政治家らが有罪となる政治的混乱が2年にわたり続いたことで、消費者や投資家の多くは依然として自らの傷を癒やしている状態で、新たに借り入れるより債務の返済に力点を置いている。バンコ・サフラのチーフエコノミスト、カルロス・カワル氏は「これはバランスシート・リセッションだ。信頼感が回復して在庫は減り、恐らくそれによって生産が若干上向くとの予想があったが、間違った見方だった」と述べた。

  2桁の政策金利に加え、財政赤字の拡大、高債務の家計を背景に、投資家やブラジルの政府と消費者は成長促進に向けて十分な機能を果たせないでいる。次期大統領にドナルド・トランプ氏が就任することで米国の利上げペースが速まるとの観測から、ブラジル中央銀行が利下げペースを加速させるとの観測はしぼんでいる。

  総合すれば、来年は弱い回復ということになる。ブラジル中銀のエコノミスト調査では、来年の成長率予想は6週間連続で下方修正され、1%未満となっている。経済協力開発機構(OECD)は今週、来年のブラジル経済は停滞するとの見方を示した。

原題:No Brazil Rebound in Sight Even as Temer Tackles Budget Gap (1)(抜粋)

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