債券相場は下落。米長期金利の先高警戒感などから売りが先行し、10年債入札結果が予想を下回ったことを受けて下げ幅を拡大する場面があった。半面、日本銀行の長短金利操作を背景に金利上昇は限定的との見方から、次第に買いが優勢となり、相場は下げ渋った。

  1日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比17銭安の150円39銭で取引を開始。午後に150円33銭まで下げたが、その後4銭安まで下げ幅を縮め、結局6銭安の150円50銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、10年債入札について、「若干弱めだが、外部環境の割には無難な内容だった」と指摘。「日銀が前日に発表した12月のオペ運営方針で買い入れ額を維持したことが相場の大きな支えになっている面がある」とし、「今月は大量償還もあり、久々のプラス利回りで買いニーズが出てきやすい」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2ベーシスポイント(bp)高い0.035%と、11月25日以来の高水準で開始した。いったん0.02%まで戻した。10年債入札の結果発表後に0.03%まで売られたが、再び0.02%で推移している。

財務省
財務省
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

10年債入札

  財務省がこの日実施した10年利付国債(345回債)の入札の結果によると、最低落札価格は100円59銭と、市場予想100円64銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.78倍と前回4.35倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は8銭と前回1銭から拡大した。平均落札利回り0.032%、最高落札利回り0.040%と、ともに2月以来のプラスとなった。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、入札結果について、「倍率はそれほど低くなかったが、テールが流れてしまった」とし、「米金利の上昇と円安が再開し始めている中で金利リスクは取りづらく、業者も積極的に慣れなかったということだろう」と指摘。一方、「10年債利回りは0.05%に近づいて、日銀の指し値オペのリスクも意識されることから積極的に売りづらい感じになっている」と話した。

10年利付国債入札結果はこちらをご覧下さい。

  超長期債は軟調。新発20年物の158回債利回りは一時前日比3bp高い0.475%、新発30年物52回債利回りは2.5bp高い0.595%まで売られた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「超長期ゾーンに関しては月末のエクステンション絡みの需要がなくなっている上、再来週にかけては入札が続くことから、今月前半はスティープ化しやすい」と話す。

米金利の先高警戒感

  30日の米国債相場は、11月の米民間雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことを背景に下落。10年債の利回りは前日比9bp上昇の2.38%程度となった。3営業日ぶりに2.4%台に乗せる場面もあった。ドル・円相場はこの日の東京市場で一時1ドル=114円83銭と、2月以来の水準まで円安が進行した。

  バークレイズ証の押久保氏は、「米長期金利の上昇はいったん止まっていたが、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意をきっかけに、ブレークイーブン主導で再び噴火している感がある」と説明。「日米金利差を背景に円安が一気に進み、日経平均株価も大幅高の展開となり、リスクオンの相場になりやすい」とし、外部環境としては債券売り圧力が強いと言う。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE