コンテンツにスキップする

「トランプタワー合意」に期待、ドル高・元安による貿易戦争の回避で

  • トランプ次期米大統領は関税などで対中貿易赤字を縮小する構え
  • 中国当局が元安加速容認ならトランプ氏は関税で最悪の対応も

ドル高と人民元安が世界経済の成長にとって相反する強力な流れを形成している。

  こうした異なる動きは米国の対中貿易赤字をめぐる両国の緊張を増幅しかねない。ドナルド・トランプ次期米大統領は、関税賦課や中国の為替操作国認定を通じて対中赤字を縮小させる方針を表明しており、2大経済大国の貿易戦争を引き起す恐れがある。これは両国ともに避けたいシナリオだ。

  中国は過度の元安を望んでいない。企業や貯蓄者による国外への資金シフトを不安定なペースで誘発しかねないからだ。米国にとっては、輸出業者に打撃を与えるような歯止めなきドル高は望ましくない。ドルが失速すれば問題は自動的に修正される可能性があるものの、そうならない不安もある。

  ルウェリン・コンサルティングのロンドン在勤パートナー、ラッセル・ジョーンズ氏は「中国当局が向こう数カ月に元安加速を容認した場合、闘牛に赤い布を見せるようにトランプ氏を挑発して、関税で最悪の対応を講じるよう促す事態になりかねない」と予想。「そうなれば貿易戦争につながる恐れがあり、勝者は皆無だ。多くの新興国は一段と閉鎖的になる米国内市場と中国側の報復措置の間で挟み撃ちになるだけだろう」と分析した。

ドル・元の為替相場

  一つの解決策は1985年にニューヨーク市のプラザホテルで調印された「プラザ合意」をモデルとする「トランプタワー合意」かもしれない。プラザ合意と同様、新たな合意もドル高抑制を目指すものになる。

  上海で今年開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でもこうした合意を再現する話が浮上したが、香港大学の肖耿教授(金融・公共政策)らエコノミストによれば、著名なプラザホテルよりもトランプ氏が居住する同市5番街のトランプタワーに当局者は目を向けるべきだという。肖教授は「不必要な負の衝撃やまとまりのない政策の不確実性を避け、国際金融システムに何らかの協調をもたらすためにはトランプタワー合意が必要だ」と電子メールでコメントした。

原題:‘Trump Tower Accord’ Mooted as Tonic to Ease Strong Dollar Pain(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE