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またやってくる眠れぬ夜-英国民投票と米大統領選でトレーダー学習か

  • 12月4日のイタリア国民投票で否決なら総選挙前倒しの可能性も
  • 通常よりも人員厚めの夜勤態勢や証拠金引き上げで「最悪に備える」

世論を2分する論争の末の投票に、最後の最後まで分からない結果。こういう流れに債券や為替トレーダーはすっかり慣れっこになった。

  欧州連合(EU)離脱を選択した驚きの英国民投票にドナルド・トランプ氏が勝利した米大統領選挙を経て、欧州のトレーダーらは再び眠れぬ夜に備えている。12月4日のイタリア国民投票の結果次第で、政局が混乱する可能性があるためだ。投票は憲法改正で上院の権限を抑える是非を問うのが本来の目的だが、レンツィ首相の指導力について国民の審判を仰ぐ性格も帯びており、投資家は手痛い目に遭うかもしれない。

  資産運用会社ECUグループのトレーディング責任者ニール・ステインズ氏(ロンドン在勤)はこれまでの経験からどこに注目すべきかをわきまえている。「世論調査はそれほど気にせず、もっと相場や流動性、特に損失が出る水準を読むことに集中すべきだ」と話す。

Italy's Prime Minister Matteo Renzi Meets 'Yes' Vote Referendum Supporters

レンツィ首相

Photographer: Alessia Pierdomenico/Bloomberg

  今回については、予想外のショックよりも今後の影響が重要。投票前2週間の世論調査が公表されない時期の前に行われた主要な調査の結果は全て、レンツィ首相が求める改憲がわずかな差で否決される状況を示した。となると、鍵を握るのは次に何が起きるかだ。

  レンツィ首相の敗北で総選挙が前倒しされ、イタリアのユーロ圏残留・離脱を問う国民投票を実施したいポピュリスト政党「五つ星運動」が躍進する可能性も視野に、外国為替市場では対ドルでのユーロのボラティリティ(変動性)がトランプ氏勝利直後に見られた水準に近づいた。

Italy Has Traders Bracing for Sunday Night Volatility

  レンツィ首相(41)は国民投票で否決となれば辞任すると示唆済み。投票結果の最初の速報はローマ時間5日午前0時(日本時間同8時)少し前に出る見込み。

  ノムラ・インターナショナルのG10為替オプショングループ責任者アンディ・ソーパー氏(ロンドン在勤)は「既に予想される事態に市場がどれだけ反応するかを考える必要がある」とし、英国民投票や米大統領選の時と比べ「今回は、結果よりもどのように可決・否決が決まるかの方が重要だ。分からない点はたくさんある」と指摘した。

  ロンドン・キャピタル・グループやサクソ・バンクの株式部門などブローカー業者は、取引する顧客に通常より多めの証拠金を要求するという。未明に流動性が乏しくなる事態に備えるものだ。スタッフも厚めに配置する。

  「最悪に備える」と語るのはロンドン・キャピタルでトレーディング責任者を務めるローレンス・クロスビー氏だ。最初の速報が出る時間帯の流動性は「特にひどい」可能性があるとした上で、通常以上の夜勤態勢でトレーディング環境を「普段の日より良好」にすると語った。

原題:After Brexit and Trump, It’s Italy’s Turn to Keep Traders Awake(抜粋)

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