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ドルが112円後半に上昇、「ドル買い意欲の強さ感じる」と市場関係者

更新日時
  • 朝方に付けた112円06銭から一時112円96銭までドル高・円安進む
  • OPECや米雇用統計、伊国民投票、リスクよりも期待が勝る-ANZ

30日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=112円台後半に上昇。この日開催される石油輸出国機構(OPEC)総会の不透明感などを背景にドル売り・円買いが先行した後、上昇に転じ、一時113円に接近した。

  午後3時25分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の112円72銭。朝方に112円06銭まで水準を切り下げた後、値を戻し、午後に入り112円96銭まで上昇幅を拡大した。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は同時刻現在、0.1%高の1250.07。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)外国為替・コモディティー営業部の吉利重毅部長は、「ドル買い意欲の強さを感じる。OPECや米雇用統計、イタリア国民投票があるが、いずれもリスクよりも期待が勝る状況」と説明。OPECでは合意がなくても何らかの妥結があるのではないか、イタリア国民投票については英国の欧州連合離脱や米大統領選と比べると影響度は小さいのではないかとの期待があると言う。

  この日ウィーンで開かれるOPEC総会では、減産合意への期待感がやや後退している。イランが減産に応じるつもりはないとあらためて表明し、サウジアラビアはイランが意味のある役割を進んで果たすことが合意には不可欠だと主張した。

  SMBC日興証券の野地慎為替・外債ストラテジストは、ドル・円について、「板が薄い中で、様子見姿勢が強く、イタリア国民投票や原油先物相場をにらんで振れやすい展開」との見方を示した。

  市場では、トランプ次期政権の財務長官にゴールドマン・サックス・グループ出身のスティーブン・ムニューチン氏を起用する見通しとの報道もドルの支えとの声が聞かれた。ANZの吉利氏は、次期米財務長官候補にムニューチン氏が挙がっていることについて、「これまで基本的に金融出身の財務長官はドル高を容認する傾向にあることへの期待」があると語った。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、ドル・円について「月末なのでそれに絡んだフローで動きやすい。今日は朝方に売られたので、市場が一時的にドル・円ショートに傾いてしまって、それで月末絡みのフローでアンワインド(解消)した可能性はある」と分析した。

ドル・円相場の推移

  29日の米国市場では、7ー9月期の米国内総生産(GDP)が前期比年率3.2%増と速報値の2.9%増から上方改定されたことを受けて、ドル・円は一時113円34銭まで上昇。その後は米長期金利が低下に転じたことを受けて112円台前半に下げた。

  30日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事、ダラス連銀のカプラン総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁が講演するほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が予定されている。 

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ予想確率は、29日時点で100%を維持している。ブルームバーグ調査によると、30日発表の11月の米ADP雇用統計で民間雇用者数は17万人増(10月は14万7000人増)、12月2日発表の11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は18万人増(10月は16万1000人増)が見込まれている。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、「ドル・円は米利上げを確認しに行くことになる。大統領選が終わった後、上昇して、12月に利上げして年内はおしまい。ここまで米金利やドルが上がるとはみていなかったが、この流れが継続のパターンか。1月20日にトランプ大統領が就任するまで政策期待から金利高・ドル高で推移しやすい」と述べた。

BAUM COLUMN

ドル紙幣

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg News

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.0634ドル。1.0660ドルから1.0628ドルまで下げる場面があった。

  ブルームバーグ調査によると、30日発表の11月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.6%上昇と14年4月以来の高い伸びが見込まれている。また、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がこの日、マドリードで講演する予定。ECBは来月8日の定例政策委員会で、量的緩和プログラムの今後について判断する。

  SBI証の相馬氏は、4日のイタリア国民投票などを挙げ、「ユーロを売る材料が増えてきている。1.05ドルが次のターゲット。これを下回ればパー(1ドル)を狙う展開か」と説明。「ユーロは利上げの雰囲気ないので売り安心感がある」とし、新規の売りポジションを構築するのは、クリスマス休暇明け後と見込んでいる。

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