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ドル・円は112円前後、OPECやイタリア国民投票警戒で上値は限定

更新日時
  • 朝方に付けた111円63銭から112円25銭まで持ち直した後、伸び悩む
  • 米雇用統計やFOMC控え時間的・価格的調整継続へ-三菱UFJ信

29日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=112円前後で推移。米金利の低下に伴うドル売り圧力が和らいだ半面、30日開催の石油輸出国機構(OPEC)総会や週末のイタリアの国民投票をめぐる不透明感が上値を抑えた。

  午後3時21分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの111円99銭。朝方に111円63銭まで下げた後、112円25銭まで持ち直したが、その後伸び悩んだ。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部・戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は、「基本的にはトランプ次期政権に期待した相場はまだ続くとみられるものの、目先は米雇用統計やFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて時間的もしくは価格的な調整が続きそうだ」と指摘。「恐らくOPEC総会までは調整が続き、その後米雇用統計を控えて徐々に底固めから戻していく感じになるだろう」と話した。

ドル・円相場の推移

  OPECは30日の総会で8年ぶりとなる減産の条件を詰めようとしているが、合意成立の見通しは不透明になっている。OPEC諸国の当局者は協調減産の一環としてイランとイラクに求める増産凍結の水準について、意見の隔たりを埋めることができなかった。ニューヨーク原油先物相場はアジア時間29日の時間外取引で下落。28日はイラクが合意成立へ協力すると表明したことを受け、大幅反発していた。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、OPEC総会や米雇用統計、イタリアの国民投票を控える中で、ドル・円は「ポジション調整的な色合いが強い展開」で、目先は28日の安値111円36銭を下値めどに「もみ合いが続きそうだ」と予想した。
 
  イタリアでは12月4日の国民投票で憲法改正が否決され、レンツィ首相は辞任に追い込まれるとの観測が強まっている。英紙フィナンシャル・タイムズは27日、国民投票で憲法改正が否決されれば最大で8行に破綻リスクが生じると報じた。28日の欧州債市場ではドイツとイタリアの10年債利回りが2014年5月以来の大きさに拡大。欧州株はイタリア銀行株を中心に売り優勢となった。

  由井氏は、「イタリア国民投票については憲法改正の否決の可能性が高まっているが、これ自体はすでに織り込み済みという見方もあり、インパクトは図りづらい」と話した。

  米10年債利回りはアジア時間29日の時間外取引で横ばいの2.31%。前日は3営業日ぶりに低下していた。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、トランプ氏の拡張的な財政政策への期待が剥落しているとは感じられず、足元の流れはあくまでもイベント前の調整にすぎないとみられるが、「ドル・円が再び112円を割り込んでくるようだと、直近高値113円90銭がかなり遠くに感じられるようになる」とし、「目先は112円台をキープできるかどうかがポイントになりそう」と指摘した。

  ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.06ドル台前半から一時1.0589ドルまで弱含み、同時刻現在は0.1%安の1.0607ドル。ユーロ・円相場は1ユーロ=118円56銭と3営業日ぶり安値を付けた後、118円台後半でもみ合いとなった。

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