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11月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、対円で9月以来の大幅安-米利回り低下で

  28日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で9月以来の大幅安。米国債利回りの低下でドルの需要が弱まった。

  先週までのドルは対円で3週連続で上昇し、3週間としては1995年以来の大幅高となった。ドルの相対力指数(RSI)はドルの上昇ペースが速過ぎることを示唆した。金利先物市場が来月の利上げ確率を100%と示唆する中、米国債利回りは低下した。10年債利回りは今月、トランプ次期大統領の政策がインフレ加速につながるとの見方から上昇していた。

  ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シドニー在勤)は「米10年債利回りの低下で今週が始まったため、対円でのドルは苦戦しているようだ。米国債市場のトランプ・タントラム(かんしゃく)が弱まる兆候は、利回りに敏感な対円のドルに打撃を与えるだろう」と指摘した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前営業日比1.1%下げて1ドル=111円94銭。対ユーロでは0.2%安い1ユーロ=1.0614ドル。対円でのドルのRSI(期間14日)は72前後。先週には85と、約2年ぶりの高水準を付けた。同指数は70を超えると上昇が行き過ぎ、下落する可能性を示唆すると言われる。

  サンタンデール銀行のG10通貨戦略担当の責任者、スチュアート・ベネット氏(ロンドン在勤)は「明らかに利益確定の動きになっている。ドルは米大統領選以降だけでなく、1カ月間あるいはそれ以前から現実的に上昇トレンドにあり、非常に力強く上昇してきているためだ」と述べた。
原題:Dollar Heads for Biggest Drop Against Yen in Almost Four Weeks(抜粋)

◎米国株:4週ぶりの大幅下落-行き過ぎ警戒でトランプ相場が一服

  28日の米国株は反落し、4週ぶりの大幅安。トランプ次期政権下で経済が力強く成長するとの期待に基づくこれまでの相場上昇について、行き過ぎていたとの見方が広がり、この日は売りが出た。

  大統領選後の3週間、上昇をけん引してきた金融株がこの日は下落した。米金融機関の時価総額は大統領選挙後に3000億ドル超押し上げられていた。一般消費財・サービス銘柄も安い。年末商戦の滑り出しがさほど芳しくなかったことが嫌気された。一方、公益事業株は上昇した。

  S&P500種株価指数は前営業日比0.5%安の2201.72。5日ぶりに下げた。ダウ工業株30種平均は54.24ドル(0.3%)下げて19097.90ドル。

  バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラルフ・ツィマーマン氏は「S&P500種が最高値を更新し、財政のリフレーションに対する過剰な期待が少なくとも短期的には相場に織り込まれた」と指摘。「投資家は今後の刺激策については何も知らない。この日の先物が下落したのは、石油輸出国機構(OPEC)合意への期待が薄れたことも手掛かりだった」と続けた。

  トランプ次期米大統領が経済成長を促進させるために財政刺激策を投入するとの見方から、これまで株価は上昇していた。今週は米雇用統計が発表され、将来の利上げペースを探る上で注目されている。また12月4日のイタリア国民投票を控えて、リスクの高い資産への需要が冷え込んだ。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「市場参加者は一歩退いて、少し買われ過ぎのようだと話している。今は様子見に周り、買いが続くかどうか見極めようという姿勢だ」と述べ、「OPEC会合も一服する材料となった」と続けた。

  市場では12月利上げの確率は100%として織り込まれている。11月初めは68%だった。

  29日は米実質国内総生産(GDP)の改定値が発表され、企業利益が明らかになる。過去6四半期中、5四半期で企業利益は減少している。今週はティファニーやダラー・ゼネラルなど複数の小売業者が決算を発表する。
原題:U.S. Stocks Slip Most in Four Weeks as Trump-Fueled Rally Fades(抜粋)

◎米国債:大幅な下落局面、最悪期はまだこれからと市場は判断か

  米国債相場は過去15年で最も大きな下落局面を経験したが、投資家は最悪期が過ぎたとの確信は持っていないようだ。28日の米国債市場では、10年債が3営業日ぶりに上昇した。

  ドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利して以降の2週間で、米債券ファンドからは107億ドル(約1兆2000億円)が引き揚げられた。2013年の「テーパータントラム」以降で最大の規模だ。また大統領選後に実施された米国債入札では、需要が大きく低下しプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札比率が異例な大きさになるといった状況が見られた。

  相場下落の勢いは先週弱まったものの、この利回り急上昇は単なる反射的な動きではないというコンセンサスができつつある。3年前は米金融当局が資産購入を削減するとの警戒が米国債の売りにつながったが、現在はトランプ次期大統領の財政計画や経済成長加速の見通しが懸念されている。今回の動きがより根深いことを示すように、米金融当局のインフレ期待の指標は13年の債券売りの時よりも速いペースで上昇している。

  カンバーランド・アドバイザーズのデービッド・コトック最高投資責任者(CIO)は「財政面での刺激策が講じられ、インフレや経済成長がやや加速すれば、金利が上昇軌道を描くことが示唆される」と述べた。

  28日の米国債市場では、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.31%。

  米国債相場はトランプ氏勝利後に2001年以降最大の下げに見舞われた。持続的な利回り上昇でトランプ氏の歳出計画のコスト増大懸念が高まったためだ。超党派の民間団体、責任ある連邦予算委員会によれば、トランプ氏の提案で米国の債務は5兆3000億ドル増加する見通し。

  さらに、米国債相場の下落が8月に始まったことは、相場急落の要因がトランプ氏の公約だけにとどまらないことを示している。財政政策に最大の関心が向けられる中、多額の資産を運用する投資家は既にインフレ加速見通しに基づいて債券ポートフォリオの調整に着手していた。米10年債利回りは10月に23bp上昇し、今月も約50bp上がっており、2009年以来最も急激な上昇を記録するペースだ。

  債券トレーダーは来月の米利上げをほぼ確実とみている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)のプライシングに示される3年後の米政策金利は約1.7%で、大統領選投票日時点では1.1%付近だった。

  ヒルトップ・セキュリティーズのチーフ債券ストラテジスト、マーク・グラント氏は「利回りは一段と上昇しつつある」と述べ、「これはテーパータントラムとは別物だ。ドナルド・トランプ氏の当選が転換点だった」と指摘した。
原題:Bond-Market Carnage Breeds Few Bold Predictions for Rebound (2)(抜粋)
原題:Trump Trade Falters, Sinking Stocks as Fresh Concerns Buoy Bonds(抜粋)  

◎NY金:上昇、4週間ぶり大幅高-ドル下落や売られ過ぎとの見方で

  28日のニューヨーク金先物相場は上昇し、ほぼ4週間ぶりの大幅高。ドルの下落が背景。最近の売りは行き過ぎだったとの見方も広がった。パラジウムは17カ月ぶりの高値に達した。
  プレステージ・エコノミクス(テキサス州)のジェーソン・シェンカー社長は電話インタビューで、「ドルが下がっているのに伴い、金に循環物色の買いが入っている」と指摘。「金にとって間違いなく重要になるのは12月2日発表の雇用統計の数字だ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前週末比1.1%高の1193.80ドル。中心限月としては2日以来の大幅高となった。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウム3月限は一時2.6%上げて762ドルと、2015年6月以来の高値。

  プラチナと銀も上昇した。
原題:Gold Posts Biggest Advance in Four Weeks as Dollar Declines(抜粋)

◎NY原油:大幅反発、イラクがOPEC合意成立へ協力を約束

  28日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反発。イラクのルアイビ石油相は、加盟国すべてが受け入れ可能な合意に到達できるよう石油輸出国機構(OPEC)と協力すると表明した。ただ関係者によると、ウィーンで開かれたOPEC高級レベル会合ではイランとイラクが依然減産に難色を示し、合意に至らなかった。
  コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は電話インタビューで、イラクからの発言は「典型的な揺さぶりだ」と指摘。「合意が成立するとすれば、その痛みはすべてサウジが背負うことになるだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前営業日比1.02ドル(2.21%)高い1バレル=47.08ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント1月限は1ドル上昇の48.24ドル。
原題:Oil Climbs as Iraq Pledges to Cooperate With OPEC on Output Deal(抜粋)

◎欧州株:下落、イタリア銀行株など売り優勢-国民投票のリスク意識

  28日の欧州株式相場は総じて下落。12月4日に実施されるイタリア国民投票の結果、金融安定にリスクが生じるとの懸念が高まり、同国の銀行株を中心に売り優勢となった。
  指標のストックス600指数は前週末比0.8%安の339.83で終了。欧州主要市場ではイタリアのFTSE・MIB指数が1.8%安と、下げが最もきつかった。

  個別銘柄では、不良債権処理に向け増資圧力にさらされているイタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナが14%安と急落。同国銀行大手のウニクレディトとインテーザ・サンパオロも3-5%下げた。英紙フィナンシャル・タイムズは27日、国民投票で憲法改正が否決されれば最大で8行に破綻リスクが生じると報じた。

  オールド・ミューチュアル・グローバル・インベスターズの欧州株責任者ケビン・リリー氏(ロンドン在勤)は「流動性が潤沢でないときに市場が神経質になった」と指摘。「政治・経済の不透明性が強まり、借り換えが必要な銀行にイタリアの政治空白が及ぼす影響が懸念され始めている」と語った。

  その他の国の銀行株も売られた。消費者向け金融事業ウィリアムズ・アンド・グリンの完全売却が難しい可能性を報じられた英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は2.6%安。スペインのポプラ-ル・エスパニョール銀行は株価がスピンオフによるリスクを完全に反映していないとの指摘をクレディ・スイスから受け、7.8%安と落ち込んだ。
原題:Italian Lenders Slide on Vote Worries to Drag Down Europe Stocks(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が大幅上昇、イタリア債とのスプレッド拡大

  28日の欧州債市場では、イタリア政府の行方など新たな脅威が意識され、ドイツ債など安全な資産に資金が集まった。ドイツ10年債とイタリア10年債の利回り格差(スプレッド)は189ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、終値ベースでは2014年5月以来の大きさに拡大した。

  イタリアでは12月4日の国民投票で憲法改正が否決され、レンツィ首相は辞任に追い込まれるとの観測が強まっている。この場合、最大で同国内の銀行8行に破綻のリスクが生じるとみられている。

  ドイツ10年債利回りは5bp低下の0.19%、イタリア10年債利回りは2bp低下の2.06%。スペイン10年債利回りは1bp低下の1.56%となった。
原題:Trump Trades Falter as Stocks Fall, Treasuries Rally With Gold(抜粋)
EUROPEAN WRAP: Italian Banks Lead Stocks Lower Ahead of Vote(抜粋)

(NY外為、米国債を更新します.)
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