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中国、孫子の「兵法」で対抗か-次期米政権が懲罰的関税なら

  • 「一方通行では済まない」と全人代外事委の傅瑩主任委員
  • 米国が保護主義色強めるとの見通し、習国家主席に好機も

中国には孫子の「兵法」の哲学を起源とすることわざがある。1000人の敵兵を殺すことはできるが、800人の味方の兵を失うことにもなるという趣旨だ。

  孫子の時代から何世紀も経て、このことわざは突如として再び脚光を浴び、北京かいわいの議論で人々がしきりに口にしている。現在の文脈では、トランプ次期米大統領が中国との貿易戦争を始めるとの脅しを実際の行動に移した場合、その潜在的な打撃を意味する。

  選挙戦の公約の幾つかから後退しつつあるトランプ氏が、中国に懲罰的な関税を課すのかどうかは不透明であり、同氏が就任後にはもっと現実的に行動すると中国も多少の楽観的予想を示唆している。それでも、中国側のメッセージは、同国からの輸入に新たな関税を賦課する動きがあれば報復を招くというもので、米経済は痛手を被り、米国はアジアとの長年にわたる結び付きを損なうことになるというわけだ。

General View Of China's Qinhuangdao Port

中国・秦皇島の港湾施設

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  2013年まで外務次官を務めた全国人民代表大会(全人代)外事委員会の傅瑩主任委員は先週に北京で、米国による懲罰的関税の可能性について、「中国としてそのような事態を望んでいない」と指摘。その上で、「仮にそうしたことになれば、一方通行では済まない」と語った。

  中国は米国に対し、けんかを売ることのないよう警告しているが、米国が保護主義色を強めるとの見通しは、習近平国家主席にとってアジアにおける一つの機会をもたらすことになる。アジア地域では、貿易に依存する国々がトランプ次期政権の通商政策の潜在的影響に神経質になっている。習主席は中国を自由貿易の擁護者であると急きょ名乗りを上げ、トランプ氏の行動次第で習主席は影響力拡大の方途を得ることになる。

  習主席は第2次世界大戦以降の米国の覇権に対抗することで、同国が享受してきたのと同様の超大国としての地位を中国として確保したい意向を表明している。

原題:China Turns to ‘The Art of War’ as Trump Signals Battle on Trade(抜粋)

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