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ドル・円が一時111円台前半まで急落、米金利上昇一服や原油安が重し

更新日時
  • 一時111円36銭と3日ぶりドル安値、先週末に113円90銭と3月来高値
  • 114-115円で一つの天井感が出てきている-外為オンライン

28日の東京外国為替市場ではドル・円相場が急落し、一時1ドル=111円台前半まで水準を切り下げた。米金利上昇が一服したことや原油先物相場の下落などを背景に、ドル売り・円買いが優勢となった。

  午後3時47分現在のドル・円相場は前週末比1.1%安の112円02銭。一時は111円36銭と23日以来の水準までドル安・円高が進んだ。前週末25日には東京市場で3月15日以来の水準となる113円90銭まで上昇していた。
  
  外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ドル・円相場について、「やはり114-115円で一つの天井感が出てきている。今の材料で115円を超えるのは難しい。そこに短期筋の利益確定売りが出ているのではないか」と指摘。「よくここまで上昇してきたが、ここから上は簡単でなく当然の上昇一服と言える」と述べた。

ドル・円相場の推移

  円は主要16通貨に対してほぼ全面高。一方、ドルは全面安で、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.8%安の1245.21まで低下した。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、「本日はスポットの応当日が月末に当たることから、輸出企業の売りがかなり出たもようでドル・円を押し下げた。これにコストの悪いドルロングを持っていた短期勢の売りを誘発した形」と分析。「112円ちょうどは行使期限の近いオプションもあるため、下げ止まっているが、下値リスクはまだある」と見込んでいる。

  28日の東京株式相場で日経平均株価は8営業日ぶりに反落。前週末比24円33銭安の1万8356円89銭で取引を終えた。一方、TOPIXは5.05ポイント高の1469.58で終了した。

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ブラックフライデー

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「米大統領選が終わって以降、101円台から3週間弱で約13円も円安・ドル高に振れているので、スピードが速過ぎるので調整の動き」と説明。もっとも、「米大統領選の再集計やブラックフライデーが低調だったという話はあるが、トランプラリーが終わったとはとても言えない」と語った。

  25日の米国債市場で10年国債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.36%で終了。アジア時間28日の時間外取引では2.32%前後まで低下している。

  25日のニューヨーク原油先物相場は約2カ月ぶり大幅安。28日に予定されていた石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の協議が中止となり、30日の総会で減産合意の具体的実施について意見をまとめられないかもしれないとの不安が広がった。28日の時間外取引では1.8%安まで下げた後、下げ渋っている。

  外為オンラインの佐藤氏は、「トランプ次期大統領は米国の自国利益最優先と言っており、これ以上のドル高は米輸出企業に厳しい。まだ、為替に言及してないが、あるとすればドル高けん制」と指摘。「OPECで減産合意や増産凍結がなければ、原油も株も下落してリスクオフの円高。合意すれば114円―115円があるかもしれない」と語った。

  一方、三井住友銀の宇野氏は、「米金利上昇一服といっても1日だけの話。週末に原油相場が下がったという話もあるが、OPECが減産合意するのかしないのか、ふたを開けてみないと分からない。合意に疑念あるが、原油の下げも1日だけの話。感謝際後の25日は半休だったので市場参加者は少ない。今晩の欧米市場をみてからだろう」と解説した。

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した12月の米利上げ予想確率は、25日時点で100%に達している。今週12月2日には11月の米雇用統計が発表される予定。ブルームバーグ調査によると、非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増加が見込まれている。10月は16万1000人増加だった。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「今週はOPEC総会や米雇用統計、イタリア国民投票を控えており、ドル・円の調整圧力から111円近辺への下落リスクは残りそうだ」と分析。米雇用統計に関しては、「よほど弱くなければ手掛かりになりづらいが、先週の米耐久財受注でドル・円が上伸した経緯もあり、ヘッドラインリスクには注意が必要かもしれない」と話した。

  欧州通貨もドルに対して上昇。ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.6%安の1ユーロ=1.0650ドル。一時1.0686ドルと17日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。ポンド・ドル相場は0.2%高の1ポンド=1.2500ドル。一時1.2532ドルと14日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。

  三井住友銀の宇野氏は、ユーロ・ドルについて、「下のポイントとしては、2015年以降、1.045ドルで止められている。3回目のサポート水準となるか。1.05ドル割れの手前で迷っている状況」と指摘。「イタリア国民投票という悪い材料を控えて下に行ってもよいが、トランプショックへの反応を見ると、どちらで捉えるべきか浮遊している感じ。政治的不安定でユーロ売りと公式化できない」とも語った。

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