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【債券週間展望】長期金利上昇か、米金利高・円安懸念-中期需給焦点

  • 日銀はあえて長期金利をゼロ%以下には抑えないのでは-アムンディ
  • 海外投資家の需要動向で2年債入札は一つのポイント-岡三証

来週の債券市場では長期金利の上昇が予想されている。米長期金利の上昇や円安・株高への警戒感が根強い上、海外投資家動向の姿勢の変化から中期ゾーンの需給悪化に対する懸念も出ている。

  今週の新発10年物国債344回債利回りは、先週の指し値オペ実施で中期債が堅調になったことを受けて0.02%まで低下した。しかし、米金利の先高感や40年債入札を控えて超長期債が軟調な中、一時0.045%と2月以来の高水準を付けた。40年債入札結果を好感して超長期債が買い戻された後も0.03%付近で推移した。

  アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長は、「円安が進む中、日銀はあえて長期金利をゼロ%以下に抑えないのではないか。ゼロ%から0.05%の間であれば、静観姿勢を続けるとみている」と言う。

新発10年債利回りの推移

  米10年国債利回りは23日に一時2.41%と昨年7月以来の水準まで上昇した。米トランプ次期政権の政策期待や利上げ観測の強まりなどが背景。外国為替市場では1ドル=113円台後半と3月以来のドル高・円安水準を付けている。来週は12月2日に11月の米雇用統計が発表される。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「米国金利と為替次第だが、基本的に上値の重い展開が続く。警戒すべきは中短期ゾーンで、海外投資家の需要動向が変動リスクになり得る2年債入札は一つのポイント。5年金利がマイナス0.1%程度で定着すると、10年金利はマイナスまで下がりづらくなる」と言う。

2年債と10年債入札

  財務省は29日に2年利付国債入札、12月1日に10年利付国債入札を実施する。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、新しい銘柄に代わるので、「利回りが5、6ベーシスであればある程度、下値リスクは小さいということで買える」と指摘。344回債利回りが今日の水準で推移して来週の入札を迎えるのであれば「結構需要はある」とみている。

  みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、「10 月は海外投資家が中期債を売り越しに転じた。必ずしも金利差だけでは説明できない面がある。円安ドル高によって追加緩和期待が高まりづらい状況になっていることもあり、当面、相場上昇局面で中期ゾーンが相対的にアンダーパフォームするリスクに注意が必要」と指摘する。

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日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は30日に12月の長期国債買い入れ方針を発表する。11月は全年限で10月の買い入れ額が維持された。岡三証の鈴木氏は、「黒田総裁もイールドカーブは立って良いと言っており、超長期が今の水準で指し値オペが実施されることはないだろう」と指摘。「買い入れ減額があれば大変なことになるので警戒されるが、指し値オペを実施せざるを得なくなるような減額はないとみている」と言う。

市場関係者の見方

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*トランプ氏政策期待で景気見通し好調、年内利上げ観測が強まり米金利に上昇圧力
*中期ゾーンの指し値オペは水準よりは金利上昇スピードの速さをけん制
*長期期金利の予想レンジは0.01%~0.06%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*円安、株高への警戒感が上値を抑える
*利回り上昇は緩やかにとどまる
*長期金利の予想レンジは0.00%~0.07%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
* 米金利上昇・ドル高が進んでいるが、財政要因のみでのインフレ上昇には限界。ドル高容認は必要性に乏しく、金利もピークアウトへ向かうことが予想
*超長期アセットスワップは割高化進んできたが、さらに割高化するハードルは低くないように思われる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.05%~0.07%
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