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JAL:破綻後初の社債市場復帰、監視期間終了で新規投資も

更新日時
  • 5年債と10年債で各100億円、04年以来の発行、A350前受金充当
  • 競争環境を歪めないため受けていた国の監視は来年3月末で終了

日本航空(JAL)は、2010年の経営破綻後初めての社債発行を今年中に行う予定だと発表した。資金調達の手段を増やす狙いがある。同社は来年、国の監視期間が終了し、新規投資がしやすくなる。

  主幹事の大和証券が25日に開示した資料によると、JALは5年債と10年債各100億円を今年中に発行することを予定している。他の主幹事はみずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券。JALによると、同社の社債発行は2004年以来。

Japan Airlines Releases Earnings Figures

日航機

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  JALは10年1月に経営破綻し、普通社債と転換社債がデフォルト(債務不履行)に陥った。その後経営を建て直し、約2年半後の12年9月には東京証券取引所第一部に再上場を果たした。財務基盤は回復しており、日本格付研究所(JCR)と格付投資情報センターからの格付けは、競合のANAホールディングスと並ぶ「A-」。

  破綻後に政府支援を受けて財務基盤を強固にした同社は、国土交通省から競争環境を歪めないため、監視を受けている。監視期間は来年3月末までとなっており、以降はより自由に新規投資や路線開設を行うことができるようになる。

  航空経営研究所の牛場春夫副所長は、JALの起債再開について「ファイナンスの面でも多様な選択肢を持ち、常に低い金利を求める姿勢は航空機材など旺盛な資金需要が今後も高まる航空会社として合理性のある動きだ」と指摘。資金使途については「アジア向けなど世界へのネットワーク拡大とインバウンドの取り込みが基本的な課題であり、その布石のための資金になる」との見方を示した。

JAL対ANA

  JALの籔本祐介広報担当は、調達資金の使途について「2019年から順次受け取るエアバス大型機A350の前受金などに充当する計画だ」と語った。また、調達手段として社債を選んだのは、「これまでの銀行借り入れに加え、調達資金の多様化を図る狙いだ」と話した。

  欠損金の繰越制度でJALは納税を一部免除されており、同社の斉藤典和最高財務責任者は今月のインタビューで、今年度も「200億円強」の節税を見込むと明かしている。そうした中で来年には国の監視期間が終了するが、植木義晴社長は「少し身軽になったな、という程度」で経営方針に変更はないと述べた。

  一方、ANAHDの片野坂真哉社長は、JALの純利益が大きく上回っていることを背景に「今後も何らかの形での競争格差是正の具体的な措置を当局にお願いしたい」と話している。

(第5、7、8段落を追加して更新しました.)
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