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「イタリア株式会社」は国民投票が問う改革に賛成-ただ半数は回答せず

  • ブルームバーグが上位100社の幹部を対象に調査、42社が回答
  • 世論調査とは対照的な結果-有権者の過半数が反対票投じる意向

イタリア産業界のリーダーらは、レンツィ首相が来月実施する憲法改正の是非を問う国民投票で「Si(=賛成)」票を投じると話す。

  フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)やCIRのロドルフォ・デベネデッティ会長ら、イタリア大企業の一部幹部はレンツィ首相が計画する憲法改正について、同国を正しい方向に導き海外投資家を引き付けるのに寄与するとみている。ブルームバーグ・ニュースが実施した調査で明らかになった。

  調査は時価総額で上位100社のイタリア企業のCEOや会長を対象に、レンツィ首相の提案について質問した。その結果、時価総額で計2400億ユーロ(約28兆1200億円)余りの42社から回答ないしは投票意向に関するコメントが寄せられた。

  12月4日の国民投票が問う内容は上院の権限変更につながるもので、レンツィ首相は政府の効率化につながると主張。これに賛成すると答えたのは企業幹部42人の98%に達した。これに対し、一般国民は「No」の反対票を投じる予定者の方が多いことを世論調査は示す。反対派はポピュリスト(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」が率いている。

  出版社や自動車部品メーカー、ヘルスケア会社の経営権を持つCIRのデベネデッティ会長は「変化とイノベーションを選ぶのか、不動で保守的であるのか、選択を迫られている。何十年も構造改革を求めている起業家が賛成派であるのは当然だろう」とコメント。同会長はインタビューでさらに、「問題は、話題が改革のメリットからそれて現政権の信認投票になってしまったことだ。より効率的で金のかからない政治システムにしたいかと問えば、イタリア人の誰がノーと言うだろうか」と述べた。

  欧州連合(EU)離脱を選択した6月の英国民投票とドナルド・トランプ氏が当選した米大統領選後にイタリアで行われる国民投票を前に、レンツィ首相は苦戦を強いられている。反対派のバックにはベルルスコーニ元首相や与党・民主党の一部議員もついている。今月の世論調査によると、反対派は平均して52.5%と、賛成派の47.5%を上回っている。

  憲法改正を支持する企業幹部は誤解していると指摘するのは、五つ星のルイージ・ディマイオ氏だ。下院副議長を務め、早期の総選挙実施なら次期首相の可能性もあるとされる同氏はインタビューで、「企業の顧客は幹部の選択に悪影響を受けるだろう。もっと注意深くなるべきだ」と語った。

  賛成票を投じる理由(複数回答可)を明らかにした企業幹部の中で、94%が政府の決定プロセスが合理化され企業活動や投資を後押しすると回答。半数が政治の不安定さが緩和されるとし、39%はレンツィ政権継続となり政治危機が回避されると答えた。政治のコストを引き下げるとしたのは28%。

  2014年2月に就任したレンツィ首相(41)は国民投票で反対多数となった場合、恐らく辞任すると表明したことがある。憲法改正が通れば、上院の規模は縮小され、多くの法案は下院が承認すれば議会通過となるほか、上院が不信任決議で首相を退陣させることもできなくなる。反対派はチェック機能が働かなくなり、権力が集中し過ぎるなどと主張している。

  540万人以上を雇用する15万社余りが加盟するコンフィンドゥストリア(イタリア産業総連盟)は、全会一致で国民投票を支持。ただ、時価総額で上位100社中、58社の幹部はブルームバーグ調査に回答しておらず、イタリアの産業界全体としてどのような投票行動に出るかを判断するのは難しい。

原題:Italy Inc. Backs Premier Renzi’s Crucial Reform Referendum (抜粋)
 

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