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ドルが6月以来の高値更新、110円台後半-日米会談や米金利上昇で

更新日時
  • 一時110円78銭と6月1日以来の水準までドル高・円安が進行
  • 5月高値の111円45銭や4月高値の111円91銭が視野に-みずほ証

18日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円台後半まで上昇し、6月以来の高値を更新。米国のトランプ次期政権の政策に対する期待感に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の前日の議会証言を受けた米金利上昇もドル買い材料となった。

  午後3時10分現在のドル・円相場は前日比0.4%高の110円61銭。前日のニューヨーク市場の取引終盤に110円台を突破し、この日の東京市場では一時110円78銭と6月1日以来の水準までドル高・円安が進んだ。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、「米金利とインフレ期待感が異様に盛り上がり過ぎているせいで、ドル・円が上がっている」と指摘。「トランプ勝利に意外感が大き過ぎて、まだその影響が続いている」と述べた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%高の1250.55と2月2日以来の高水準まで上昇している。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、ドル・円について、「トランプラリーが続く中で、円ロングが巻き戻されているのだろう」と分析。「基本的にスピードが速過ぎる感じはするが、止まる理由もない。目立ったリスクオフの動きも見られないことから、5月高値の111円45銭や4月高値の111円91銭が視野に入りそうだ」とみている。

ドル・円相場の推移

  安倍晋三首相とトランプ次期大統領との初めての会談が、ニューヨーク時間の17日午後(日本時間18日朝)にニューヨークで行われた。安倍首相は会談後、「共に信頼関係を築いていくことができると確信の持てる会談だった」と記者団に説明。もっとも、「正式に大統領に就任しておらず非公式の会談であり、中身についてはお話することは控えたい」と会談内容には言及しなかった。

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トランプ次期大統領と安倍首相

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  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「言わないと言っているので反応のしようがない」と指摘。みずほ銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、「ドル高に対するけん制発言が聞こえてこないので安心感がある。米10年債利回りが2.3%に上がっていることも背景にある。トランプマジックが続いている。これを冷やすような材料はまだ出ていない」と述べた。

  18日の東京株式市場は円安進行などを好感して続伸。日経平均株価は一時、約10カ月ぶりに1万8000円の大台を回復。結局、前日比104円78銭高の1万7967円41銭で取引を終えた。

  イエレンFRB議長は17日、上下両院合同経済委員会の公聴会で証言し、利上げについて「今後明らかになる経済指標が連邦公開市場委員会(FOMC)の目標に向けて前進を続けるさらなる証拠を示せば、比較的早期に適切になる可能性が十分ある」と発言。議長は利上げを長く待ち過ぎることのリスクにも言及した。 

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イエレンFRB議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  米労働省が17日発表した10月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、3カ月連続で物価の伸びを示した。伸び率はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値と一致した。

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した12月の米利上げ予想確率は17日時点で96%と16日の94%から上昇。17日の米国債市場では10年国債利回りが8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.30%で終了。18日のアジア時間には一時2.33%台と昨年12月4日以来の水準まで上昇している。

  しんきんアセットの加藤氏は、「イエレン議長が昨日発言したことはもう皆思っているところなので、そんなに影響ないと思っていた」としながらも、「トランプ次期大統領も実際何が出てくるのか分からない中で、これだけドルが上げているのでちょっと怖い気がしている」と語った。

  18日には、カンザスシティー連銀のジョージ総裁とダラス連銀のカプラン総裁が講演するほか、セントルイス連銀のブラード総裁がフランクフルトでパネルディスカッションに参加する予定。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームでは、来週の予想レンジを109円~113円としている。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%安の1ユーロ=1.0591ドル。一時1.0582ドルと、昨年12月以来のユーロ安・ドル高水準を更新した。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が18日、フランクフルトで講演する予定。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、来週のユーロ・ドルの見通しに関して、「ドル高の調整が入る場合のユーロ戻り高値めどは1.08ドル、逆にドル続伸の場合は昨年中の安値である1.0458ドル(15年3月16日)が意識されよう」と想定している。

  中国人民銀行は18日、人民元の中心レートを前日の中心レートに比べて0.15%引き下げ、1ドル=6.8796元に設定した。11営業日で計1.9%の引き下げとなり、最長記録。

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