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JPモルガン、「見返り」雇用問題決着で当局と合意-290億円支払い

  • ビジネス獲得目的で当局者の子女雇用との疑惑の調査に終止符
  • 「調査の決着で当社の協力が認められたことに満足」とJPモルガン

米銀JPモルガン・チェースにインターンとして雇われたある男性は、ペンシルベニア大学ウォートンスクールでは成績が悪かった。アジアの上司は同僚に対し、彼は投資銀行に向いていないと述べていた。勤務態度に問題があったほか、基本規則に従うことが困難で、勤務中に頻繁にうたた寝していた。一部の幹部の危惧にもかかわらず、2010年に彼はフルタイムの雇用を提供された。

  JPモルガンがビジネス獲得の目的で政策決定の権限を持つ中国当局者や企業幹部の子女を雇用し、外国の当局者への贈賄行為を禁じる法に違反したとされる疑惑で、このような実態が17日に明らかになった。JPモルガンはこの問題の決着で約2億6400万ドル(約290億円)を支払うことで米当局と合意した。

  ウォートンスクール出身の男性の父親は、台湾企業の幹部で同行に8億ドル規模の取引を提供していた。あるバンカーは電子メールで、「見返りは彼の息子へのアナリスト職の提供」と記していた。

Trading On The Floor Of The NYSE While U.S. Stocks Rise On Deal Activity As Election Looms

ウォール街の歩行者

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  17日に発表された合意により、3年近くに及んだ調査に終止符が打たれた。米当局者によると、JPモルガンの香港子会社では、ビジネスが期待できる相手の子女に雇用やインターンのポストを提供することで利益の最大化を図っていた。見返り期待の雇用が同行の規則で禁じられていたにもかかわらず、こうした雇用によって少なくとも3500万ドルの利益を得ていたという。

  合意によると、JPモルガンは米証券取引委員会(SEC)に約1億3000万ドル、米司法省に7200万ドル、連邦準備制度に6200万ドルを支払う。JPモルガンおよび従業員個人の訴追は見送られた。

  JPモルガンの広報担当、ブライアン・マーキオニー氏は「この調査の決着でわれわれの協力が認められたことに満足している」と書面でコメント。「こうした慣行は許されない。われわれは2013年にこの雇用プログラムを停止し、関与した個人に対し措置を講じた。われわれはさらに、採用の手順に改善を加え、従業員に求める高い行動基準を強化した」と説明した。

  関係者2人によると、米司法省は引き続き、ウォール街の銀行5行に対し、ビジネス獲得で影響力のある中国当局者あるいは国有企業幹部の親族を雇用していなかったかどうかを捜査している。

原題:JPMorgan Settles With U.S. Over ‘Quid Pro Quo’ Hires in Asia (2)(抜粋)

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