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FRB議長:「比較的早期」利上げの公算、後手に回るリスク低い

更新日時
  • 2018年1月末までの任期を「務めあげる」決意だ-イエレン氏
  • 財政政策の利益と代償、見極めは議会と政権の任務

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、景気が引き続き拡大しているとして金融政策当局は利上げに近づきつつあると述べた。さらに2018年1月までFRB議長としての任期を全うする意向を示した。

  イエレン議長は17日、上下両院合同経済委員会の公聴会で証言。利上げについて「今後明らかになる経済指標が連邦公開市場委員会(FOMC)の目標に向けて前進を続けるさらなる証拠を示せば、比較的早期に適切になる可能性が十分ある」と述べた。

  議長は将来の利上げが「漸進的」なものになるだろうと、既に複数の当局者が示した見解をあらためて表明した。

  イエレン議長の発言は、よほど大きな負の衝撃が生じない限り、来月13、14両日に開かれるFOMCでの利上げ決定の予測を固めるものとなる。金利先物動向によると、市場は来月の0.25ポイントの利上げを95%超織り込んでいる。

  米大統領選挙が金融政策に及ぼす影響について質問されたイエレン議長は、米国経済は金融当局のゴールに向けて極めて順調に前進していると述べ、財政政策がもたらす利益と代償を見極める任務は議会と政権にかかっていると続けた。

  さらに議長は、ドナルド・トランプ氏の大統領就任後に辞任するとの臆測を否定し、「私は4年の任期を上院で承認され、それは18年1月末に満了する。この任期を務めあげるつもりだ」と決意を表明した。トランプ氏が選挙戦でイエレン議長の政策を批判したことから、辞任観測もあった。

後手に回るリスク

  一方で、イエレン議長は利上げを長く待ち過ぎることのリスクに言及。「FOMCがフェデラルファンド(FF)金利の引き上げをあまりに長く遅らせれば、FOMCの2つの長期的な政策目標をいずれも大幅にオーバーシュートする事態から経済を守るため、比較的急激に政策を引き締めざるを得なくなってしまう恐れがある」と指摘。さらに「FF金利を現行水準にあまりに長く維持すれば過度のリスクテークを助長し、最終的には金融の安定性を脅かしかねない」と述べた。

  イエレン議長はこうした事態が近いうちに起きる危険性は低いとの見方を示し、現在の政策が「適度に緩和的」であることを、その理由に挙げた。議長は「短期的な見通しにおいて、対応が後手に回るリスクは限定的であるようだ」と言明した。

  元FRBのエコノミストで現在はジョン・ホプキンス大学の教授を務めるジョナサン・ライト氏は、「次の雇用統計や金融市場で大きなサプライズがない限り、12月の利上げは既に決まったようなものだ」と指摘。「しかし金融引き締めペースは引き続き遅々としたものだろう。中立とFOMCの見積もる水準の約1ポイント以内にFF金利が届くことになるためだ」と付け加えた。

  イエレン議長は、今月利上げ見送りを決めたことについて、経済に関する確信の欠如を映した動きではないと説明。「労働市場がさらに改善し、向こう2、3年でインフレ率が2%の目標に戻るだけの適度なペースの経済成長が続くと予想する」とし、「加えて、世界の経済成長も、海外の金融緩和に支えられ安定してくるはずだ」と話した。

  最近の雇用拡大ペースについては、「無限に続くことはあり得ない」が、労働市場が一層改善する余地はまだ見られるとの認識を示した。
  
原題:Yellen Sees Hike ‘Relatively Soon’ and Plans to Serve Full Term(抜粋)

(議長とエコノミストの発言を追加して更新します.)
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