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長期金利が9カ月ぶり高水準、米債下落警戒で売り優勢-スティープ化

更新日時
  • 先物は41銭安の150円30銭で終了、長期金利0.04%まで上昇
  • 米金利がさらに上がり、日本でも売り圧力-JPモルガン・アセット

債券相場は下落し、長期金利が9カ月ぶりの高水準を付けた。米国債相場の下落基調に対する警戒感に加えて、円安進行や国内株高を背景に売りが優勢となった。超長期債ゾーンの金利上昇が大きくなり、利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

  18日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高い0.02%で開始した。いったん0.01%に戻したが、午後に入ると0.04%と2月11日以来の水準まで上昇。その後は0.035%で推移した。新発20年物の158回債利回りは0.475%、新発30年債利回りは一時0.60%と、ともに9月14日以来の高水準を付けた。40年物の9回債利回りは4bp高い0.71%と、3月以来の水準まで売られた。

  一方、中期債は底堅い。新発2年物の370回債利回りは1.5bp低いマイナス0.175%、新発5年物の129回債利回りは1bp高いマイナス0.095%を付けている。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「トランプ次期大統領の政策期待や米利上げ観測が強まって円安・株高基調の上、主要国の国債利回り上昇も続いており、相場の上値は抑えられる」と指摘。「日銀の国債買い入れオペや利回りが上昇すれば指し値オペも見込まれ、日銀の金融緩和姿勢が相場を支える」としながらも、しばらく国債利回りの低下は限られるとみる。「来週の40年債入札は生命保険や年金資金の買いがある程度見込めるが、やや低調な結果になる可能性がある」とみている。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比4銭安の150円67銭で取引を開始し、いったんは150円71銭に戻した。直後から水準を切り下げ、一時は150円27銭まで下落。結局は41銭安の150円30銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「米金利がさらに上がったので、日本の国債市場でも売り圧力が強まっている」と説明。ただ、「日銀がこの水準で指し値オペを発動したので、円金利の上昇余地は限られるだろう」と述べた。「来週は引き続き、米国の次期政権の主要閣僚人事やトランプ氏と共和党の妥協点模索などが焦点だ」と話した。

  前日の米国債相場は下落。米10年物国債利回りは8bp上昇の2.30%程度で引けた。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げが近いことを示唆したことが売り材料となった。時間外取引では2.33%程度まで水準を切り上げている。

  この日の外国為替市場ではドルが対円で上昇し、1ドル=110円台と半年ぶりのドル高・円安水準となっている。東京株式相場は上昇。日経平均株価は前日比0.6%高の1万7967円41銭で引けた。一時は200円近く上昇し、10カ月ぶりに1万8000円台を回復する場面があった。

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日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀はこの日午前の金融調節で、今月6回目となる長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年超3年以下」が4000億円、「3年超5年以下」が4200億円、「10年超25年以下」が1900億円、「25年超」が1100億円と、いずれも前回と同額だった。

日銀の長期国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  日銀は17日、固定利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる指し値オペを初めて実施した。対象は残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」で、2年物国債370回債の利回りはマイナス0.09%、5年物国債129回債はマイナス0.04%で買い入れると通知。ただ、実勢より高い金利設定だったため、ともに応札はゼロだった。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、 指し値オペの実施について、「水準的にも、オペ増額よりも前というタイミング的にも大方の想定よりも早かった」と説明。「日銀の狙いは短中期がよもや利上げを織り込むことを避けることであって、10年や20年金利に、昨日の水準で上限を設定する意図は乏しいと思われる」と言う。

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