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【インサイト】ウォール街はトランプ氏に感謝を、ボーナス期待膨らむ

トランプ次期米大統領が銀行規制を後退させ、ウォール街は利益を上げやすくなるとの声があちこちから聞こえる。

  大統領選後の数日でトランプ氏は既に、銀行が収入を拡大しやすい環境を整えている。金融市場のトレーダーは、年末までの最終四半期を通常より多忙にしてくれそうなトランプ氏に感謝すべきかもしれない。

  同氏の提案はまだ詳細が固まらない段階で、世界の市場を激しく揺さぶった。何をするのか読めず、自らを変化をもたらす人物と称するトランプ氏。同氏の計画は大きな結果をもたらす可能性を秘め、当初の反応として一部株式は急騰、債券相場は急落した。また、規制や政策の変更前の駆け込みで企業は取引完了を急いでいる。これら全てが銀行業務やトレーディングにプラスとなる。

Trading On The Floor Of The NYSE As U.S. Stocks Climb Toward Fresh Records While Commodity Shares Lead

ウォール街のトランプビル

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  15日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が大統領選後の翌日に扱った株取引は取引高が過去最高だった。このため、10ー12月(第4四半期)のトレーディング業績は前年同期を大幅に上回る公算が大きいという。

  ブルームバーグ・ニュースも16日の記事で、JPモルガン・チェースでトレーディングとバンキング業務の勢いが、好調だった7-9月(第3四半期)以降継続したほか、シティグループが金融市場での収入が昨年と比べ「大幅」アップするとの見通しを示したと報じた。

  どこをどう切っても、過去1週間のトレーディングは取引高が急増、株式市場は活発化した。

Stock Surge

Activity in stocks surged in the days after Donald Trump was elected president of the U.S.

Source: Bloomberg

  米金融取引業規制機構(FINRA)の債券価格報告システムのトレースによれば、社債取引高は8日の大統領選後の数日で前年同期を31%上回った。

Debt in Motion

Credit trading volumes have risen so far in the fourth quarter compared with previous similar periods

Source: Finra's Trace

Data shows average daily volumes for Sept. 30 through Nov. 15

  トランプ氏勝利後、米国債先物の取引高はあまりに膨らんだため、欧州連合(EU)離脱が選択された6月の英国民投票後の全てが小さく見えるほどだったと、FTNファイナンシャルのジム・ボーゲル氏は指摘した。

  トレーディングの勢いに火が付いたことは、レイオフや報酬減少が数年続いていたウォール街のトレーダーにとって喜ばしい話だ。ボラティリティ(変動性)拡大で世界の債券トレーダーの今年の年間報酬は2012年以降で初めて増えると、人材あっせんのオプションズ・グループは予想する。

  トランプ氏は、不確実性の高まりとトレーディング活動の活発化を予見可能な将来において約束してくれる。良くも悪くも市場を安定させてきた米連邦準備制度への次期政権の影響力行使も既にうわさされる。トランプ氏の経済アドバイザーらの一部は米金融当局のバランスシート縮小を訴えており、実際にそうなれば、過去1週間の規模では済まないほどの大幅な売りを誘発しよう。いずれにせよ、インフレ期待の高まりは従来の想定を上回るペースでの利上げをもたらす可能性がある。

  さらには、トランプ政権の実際の支出計画がどうなるかや、議会がそれを了承するのかという疑問も残る。詳細が明らかになるにつれ、市場の期待も変化するだろう。

  これら全てがウォール街のトレーディング部門で仕事が増えることを意味する。トレーダーが手持ち無沙汰だったのんびりした日々は終わった。不確実性の日々が戻り、金になるトレーディングの機会が銀行に訪れている。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません。)

原題:Trump Stands to Make Wall Street Bonuses Fat Again: Gadfly(抜粋)

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